粉がダニに汚染され…手作りパンケーキで救急搬送
【パンケーキ症候群 パンケーキに潜んでいた犯人】
40代の女性Iさんは、休日にパートナーへ手作りのパンケーキをふるまうのを楽しみにしていました。
ある日、長期間保管していたミックス粉でパンケーキを作ったところ、食べ始めて間もなく、パートナーに涙や鼻水、まぶたや唇の腫れが出現。さらに咳や喘鳴、呼吸困難も現れ、救急搬送先でアナフィラキシーと診断されました。原因は食品成分ではなく、ミックス粉の中で繁殖したダニと判明しました。
パンケーキ症候群は、ダニに汚染された小麦粉やミックス粉を食べることで起こるアレルギー反応で、正式には「経口ダニアナフィラキシー」と呼ばれます。開封後の小麦粉やミックス粉を常温で長期間保存していると、室内のダニが入り込み、粉の中で増殖することがあります。そのダニの存在を知らないうちに一緒に食べてしまうことで発症します。
特徴的なのは、加熱してもダニのアレルギー成分が完全には壊れにくいことです。そのためパンケーキやお好み焼きなど中身がふわっとした料理の場合、中に残っているダニのアレルゲン成分によりアレルギー症状が現れることがあります。
長期保存を避け、思い切って処分を
パンケーキ症候群が見つけにくいのは、原因となるダニが肉眼ではほとんど見えないためです。そのため、粉の見た目やにおいに異常がなくても発症することがあります。また、ダニが混入した小麦粉やミックス粉を食べても症状が出るのは一部の人だけです。特に、ダニアレルギーやぜんそくを持つ人では発症しやすいことが知られています。
この病気の特徴は、小麦粉そのものではなく、保存中に混入・増殖したダニが原因になることです。その結果、小麦アレルギーと間違われることも少なくありません。普段の食生活の中に原因が隠れているため、食品の保存状況を含めて振り返ることが診断の重要な手がかりになります。
パンケーキ症候群の予防で最も大切なのは、粉製品の保存方法を見直すことです。
小麦粉やホットケーキミックス、お好み焼き粉などは、開封後そのまま戸棚に置かず、密閉容器に入れて冷蔵庫や冷凍庫で保存しましょう。湿気や高温を避けることで、ダニの繁殖を抑えることができます。
また、「もったいないから」と長期間保存した粉を使い続けるのは避けたほうがよいでしょう。大容量の商品よりも、短期間で使い切れる量を購入するほうが安全です。保存期間が長くなった粉は、思い切って処分しましょう。特にダニアレルギーやぜんそくのある人は注意が必要です。家族にダニアレルギーの人がいる場合も、粉製品の保存方法を見直しておくと安心です。
パンケーキ症候群は、食品そのものではなく不適切な「保存方法」が要因となるアレルギーです。日頃のちょっとした工夫が、重いアレルギー反応を防ぐことにつながります。