「期限」か「人数」で区切れ
「そろそろ結婚したい」「この歳までには」と思い始めた瞬間、人は焦り出す。焦ると、あれだけ機能していた直感が、途端に鈍くなってくる。目の前の相手のあらばかりが気になったり、逆に条件だけで飛びついたり、判断がブレ始める。
だからこそ、あなたが20代後半以上で、本気で結婚を目指しているなら、自分の直感を過信せず、あらかじめ「ルール」を決めておいたほうがいい。
ルールといっても、難しいものではない。要は「付き合う相手をどのタイミングで決めるか」を、婚活を始める前に考えておくということだ。
選択肢は2通りある。「3カ月以内に付き合う人を決める」のように期限で区切るか、「10人会ったら、その中から決める」のように人数で区切るか。どちらか一方でいい。自分の性格に合うほうを選べばいい。
では、なぜわざわざ区切る必要があるのか。
「秘書問題」理論が示す大事なプロセス
意思決定の世界に「秘書問題」という有名な理論がある。
1人の秘書を採用するのに、応募者10人を順番に面接し、その場で採否を即決しなければならない。一度断った人は呼び戻せない。さて、何人目で決めれば最も優秀な人を採れるか、という問題だ。
数学上の答えは、最初の4人(正確には全応募者の37%)は基準を測るために見送り、それ以降で、それまでのベストを超える人が現れたら迷わず決める、というものだ。
ここで大事なのは答えそのものより、この理論が成り立つ前提のほうだ。秘書問題は「応募者の総数が決まっている」からこそ解ける。前提条件があるから、どこで決めるべきかを計算できる。
ところが現代の婚活には、この前提条件がない。アプリを開けば相手は無限に湧いてくるように見える。終わりが見えないから、いつまでも「まだ途中だ、もっといい人がいるはずだ」と基準を確定できず、スワイプが続く。
僕は定期的にマッチングアプリユーザーにインタビューをしているのだが、過去に数十人と会っているのに、いまだに結婚できていないという人がたくさんいる。中には、100人や200人の相手と会ったという人もいた。