報道とSNSが“姉妹”への批判を増幅させている

だからネットの世界的に見立てをまとめるなら、彬子さまは「愛子天皇を阻止しようとしているラスボスの親戚で、このところ世間でもてはやされていて、金銭面で1人得する人」となる。ゆえにバッシングは続き、そうなるとメディアも見逃さない。

「女性自身」編集部が7月23日にウェブで、「(皇族費)約3.3倍増額」と「SNS猛反発」を見出しに記事を公開した。するとXのトレンドがその日のうちに、「彬子さまの皇族費が3.3倍に引き上げ SNSで税金不満の声」とまとめている。メディアとSNSの投稿の行ったり来たりでバッシングが続いていく。

三笠宮彬子さま。「即位礼正殿の儀」(2019年10月22日)にて
三笠宮彬子さま。「即位礼正殿の儀」(2019年10月22日)にて(写真=首相官邸 YouTube/CC-BY-3.0/Wikimedia Commons

彬子さまは8月7日から14日まで、非公式な訪問でブータンを訪ねた。これについても同行者(伊藤穰一・千葉工業大学学長)のこと、ワンチュク国王の隣でスニーカーを履いたことなどがバッシングの種となった。妹の瑶子さまにも類火が及び、アメリカへの私的旅行の取りやめがバッシングの対象となった。8月3日の出発当日、宮内庁が「取りやめ」を発表、理由は「熊本地震の発生」だった。ネット上では、「三笠宮家バッシングが起きているので、出発直前に渋々取りやめた」ことになっている。

“皇族費の男女格差を是正”しただけなのに…

2人とも、とんだとばっちりだ。そもそも彬子さまの皇族費が増額されたのは、“皇族費の男女格差の是正”に端を発している。これまで同じ天皇直系の子・孫であっても、女性(内親王)の皇族費は男性(親王)の半分だった。これを今回、同額に引き上げた。三笠宮家当主の彬子さまは「独立の生計を営む女王」で、皇族費は「独立の生計を営む内親王の10分の7」になる。そこは変わっていない。

当主になる→皇室経済法改正→内親王の年額アップ→結果、自分もアップ→バッシング。こういう環境で生きなくてはならない女性皇族は、どう考えてもお気の毒だ。

ここまで三笠宮家、中でも彬子さまについての事情を書いてきた。が、ここからは彬子さまに限らない問題を書いていく。深刻なのは、こちらだと思う。

ネット上には、彬子さまが「天皇の祖母となることを企てている」とか「皇室を乗っ取ろうとしている」といった見立てが山のようにある。何かというと「養親」の話だ。

改正皇室典範で「旧宮家の男系男子」を養子にすることが可能になった。では誰が養親になるか、だ。改正皇室典範によれば、「天皇、皇后両陛下と上皇ご夫妻、秋篠宮ご夫妻を除く皇族」が養親になれる。残るのは「常陸宮家」「三笠宮家」「三笠宮寬仁親王妃家」「高円宮家」の4家。4分の1の確率で、どこかの宮家が養親を引き受ける。では、どこが?