単調な食事でも栄養バランスを保つ方法

もちろん、毎日同じものを食べる場合でも、「栄養素が偏らないように工夫する」ことは大切です。肉や魚、卵、豆、野菜、海藻、果物など、必要な栄養素を少しずつ組み合わせるだけで、単調な食事でも栄養バランスは保てます。

守田和弘『食べたいものを、食べていい 「毎日牛丼」生活も肯定する科学』(光文社)
守田和弘『食べたいものを、食べていい 「毎日牛丼」生活も肯定する科学』(光文社)

つまり、食事の多様性よりも、「本能に基づく安定した習慣と最低限の栄養の確保」が健康のカギとなるのです。

人間も動物の一種です。動物たちが毎日同じ餌を食べて健康を維持しているように、私たちも本能と習慣に沿った食生活を送ることが、長生きと健康への自然な道といえます。

無理に多様性を求めるのではなく、体が必要とする栄養を安定してとりながら、食事を楽しむ――それがもっとも自然で、科学的にも安心できる方法なのです。

【参考文献】
*1 Rozin,P.(2005).The meaning of food in our lives: A cross-cultural perspective on eating and well-being. Journal of Nutrition Education and Behavior, 37,S107-S112.
*2 David,L.A,Maurice,C.F.,Carmody,R.N.,Gootenberg,D.B., Button,J.E,Wolfe,B.E.,Ling,A.V.,Devlin,A.S.,Varma,Y.,Fischbach,M.A.,Biddinger,S.B.,Dutton,R.J.,& Turnbaugh,P.J.(2014). Diet rapidly and reproducibly alters the human gut microbiome.Nature, 505(7484),559-563.

守田 和弘(もりた・かずひろ)
実践女子大学教授

実践女子大学教授・博士(農学)。富山県生まれ。静岡大学農学部卒業、筑波大学大学院生命環境科学研究科博士課程修了。富山県農林水産総合技術センター食品研究所、東京医療保健大学を経て現職。2017年日本食品科学工学会奨励賞受賞。専門は食品科学。食の科学を探求しながら、食べる喜びと健康の両立について思考を巡らす。好物は牛丼。