脳科学者の黒川伊保子先生が、脳の成長ステージに合わせた「親子の関わり方」について教えます。

Q.高価なミニカーを欲しがってお店で大泣き。ちゃんと叱るべきか?

自分の思いを主張できる。ちょっとやそっとじゃ諦めない。その前に、何かに心を動かされる感性がある。これ、美しい資質じゃないですか?

その昔、息子のそれに直面したとき、生存本能に根差した脳の強い信号を、大人の都合に合わないから叱るなんて、あまりにも理不尽だと、私は考えました。そこで、彼の欲しい気持ちに共感して、一緒に悲しみました。強い情動は、拒絶するより共感したほうが鎮静化できます。息子の脇にしゃがみ込み、「欲しいよね。わかるよ」と同情しているうちに私も涙が……。息子は立ち上がって私の背中をさすりながら、「そこまでじゃないから大丈夫。行こう」と優しく言ってくれたことも(笑)。

ただし、食べ物を粗末にしたり、友達や生き物をいじめたり、人として容認できないことをした場合には、はっきりと感情を込めて叱るべきです。同情できることと、そうでないことを明確に分けるほうが、ダメが正しく伝わります。

※本稿は、『プレジデントFamily2026春号』の一部を再編集したものです。