保守派の政治家が最も嫌うことは何か

一般国民の女性が皇族と結婚した場合、皇族の身分が与えられる。現在の上皇后、皇后、秋篠宮妃、常陸宮妃、三笠宮妃、高円宮妃は皆、一般国民だった。常陸宮妃の場合は、旧華族の出身だが、旧華族も戦後は一般の国民になっている。

その点からすれば、皇族としての身分を保持する皇室の女性と結婚した男性も皇族となり、その間に生まれた子どもも皇族となるはずである。

しかし、保守派の政治家や論客は、それを最も嫌う。

皇室の血統を受け継いでいない男性が天皇になったり、その子どもがやはり天皇になったりすれば、皇室の伝統が根本から揺らぐというのである。

では、どうするのか。

改正案では、女性皇族と結婚した男性や子どもを“皇族にはしない”と明記されているわけではない。それは、あたかも先送りされているかのようにも見えるが、実はそうではない。

というのも、改正案のなかでは、「天皇および皇族以外の男子と婚姻をした内親王・女王について、住民基本台帳法を適用するものとすること」とされ、併せて住民基本台帳法の改正が必要とされているからである。

配偶者や子どもを“皇族にしない”方法

住民基本台帳法などという法律の名前が出てくると、とたんにその意味がわからなくなってしまうが、要するにこの法律は、私たちが誰でも持っている「住民票」の作成や届け出について定めた法律である。

皇族の場合、一般国民とは異なり、戸籍はなく、「皇統譜」に記載されている。したがって、戸籍がないので住民登録ができず、住民票を持っていない。

住民基本台帳法が適用されるということは、結婚後の女性皇族も、配偶者や子どもとともに住民登録を行い、住民票を持つことを意味する。

ということは、配偶者や子どもは一般の戸籍を持ったままであり、皇統譜には記載されない、つまりは、皇族とは異なる法的扱いになるということである。

これは、「国際結婚」と同じ扱いにするということで、だから、住民基本台帳法が持ち出されてくるのだ。国際結婚の場合、日本人の戸籍に婚姻の事実は記載されるが、外国人自身が日本で独立した戸籍を持つわけではない。それでも住民登録を行い、住民票を持つことができるのだ。

これを皇族にも活用しようというわけで、だからこそ、今までその規定がない住民基本台帳法の改正が必要だとされているわけである。この点はとても重要なのだ。

皇居正門前に架かる「二重橋」
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