「生理的に無理」という残酷な感想
私はしつこく、先方のカウンセラーに連絡をし、彼女の気持ちを確認してほしいとお願いすると、数日後に「生理的に無理だと感じ、交際終了したい」と告げられたのである。「生理的に無理」という言葉ほど、胸に突き刺さるお断り理由はないし、これはまた結婚相手としてどんなに好条件であっても、乗り越えるのが難しい違和感である。
おそらく彼女は、「生理的に無理」だと感じながらも、彼の収入や資産を数時間の中で嗅ぎ分け、結婚しようと思ったものの、よく考えてみれば難しいと現実に立ち返ったのであろう。
確かに彼は、金銭的には申し分のない男性だが、彼との面談の中で、私が彼から感じる問題点はいくつかあった。
第一に清潔感の欠如である。肥満気味なためか、首筋に汗をかいていて汗のにおいを感じた。ある日は、会話中にいきなり獣の鳴き声のような大きな音をたて、思い切り鼻をかんで、そのティッシュをテーブルの上に置いた。
これを女性の前でやれば、一発アウトを食らうだろうと、やんわりと彼に注意したこともある。だが、彼はこれを重大な修正事項と思っていないのか、それよりもひげの永久脱毛や、ニキビ痕の修正への課金には一生懸命であった。
彼にとっては、ひげやニキビ痕は大きな弱点なのだろうし、昔から抱えてきたコンプレックスなのは理解できる。ただ、自分が気になっていることだけを解決したとしても、相手女性に「清潔感のある男性」だと思ってもらえるかは別の話なのである。
お金で乗り越えられない「生理的な違和感」
一方で、無課金でできる「清潔感」の基本に無頓着すぎる。「清潔感」こそ、婚活において何より重要なのは、身だしなみであるにもかかわらず、だ。
前述の交際終了となった3人の30代女性たちも、表面上は当たり障りのない交際終了理由であったが、本音は彼の不潔なところに嫌悪感を抱いたのであろうと容易に想像がつく。
彼は、一生お金に困らない経済力があるから、自分が思い描く若くてすらっとした好みの女性と結婚できると思い込み、疑うことなどない。自分の好みの女性には、お金にものを言わせて高級レストランでご馳走し、ブランド物のプレゼントを与え、贅沢な暮らしをさせれば結婚できると思っている。
だから、彼のそんな甘い考えを見抜いて、いわゆる「カネモク」女性が集まってきてしまうのだ。
彼に「清潔感や衛生観念」の重要性を話し、お金より自分自身の人間性を理解してくれる女性との結婚こそが、幸せにつながることをアドバイスしたが、彼はわかったような口ぶりを見せたのも束の間、すらっとした年下美人への執着が消えることはなく、「好みの女性とお見合いできない」と結婚相談所を1年弱で退会していった。
婚活には収入よりも大切なものがある
結婚相談所の婚活は、年収から男性を検索することができるし、高年収の男性からお見合いのお申し込みが来れば、贅沢な暮らしができるのではないかと、女性も一瞬心躍る。
だが、生理的に無理な男性とは、絶対に結婚はしない。お金さえあれば理想通りの女性と結婚できると思うのは間違いだ。
潤沢な資産を持ち、どんなに高年収であったとしても、自分が考える理想の相手と並んだ時にしっくりくる見た目や清潔感やマナーがなければ、結婚はできないことを肝に銘じてほしい。
1964年生まれ、株式会社ロックビレッジ取締役。ウエディングに特化した広告代理店を30年以上経営のかたわら、婚活サロンを主宰。世話好き結婚カウンセラーとして奔走。著書に『余計なお世話いたします 半年以内に結婚できる20のルール』(集英社)がある。
