普通や常識が通用しない“へんな大学”である

ミネルバ大学でしか得られない学びとは何でしょうか。それは単に「海外で学ぶ」「オンライン授業を受ける」といった表面的な特徴ではありません。

【1.「マジョリティが存在しない」環境】

通常の大学では、どうしても「地元出身者」「同じ国籍」「似た価値観」といったマジョリティが形成されます。しかしミネルバでは、世界40カ国以上から学生が集まり、半年ごとに都市を移動するため、固定化された「普通」や「常識」が存在しません。

この環境では、自分の文化的背景や価値観を相対化せざるを得ません。「自分の当たり前は、他人の当たり前ではない」ことを日々体感し、多様性の中で自分の立ち位置を見つける力が養われます。

【2.「移動し続ける」ことで鍛えられる適応力】

半年ごとに新しい国・新しい都市に引っ越し、言語も文化も気候も違う環境に適応し続ける――この経験は想像以上にハードです。しかし同時に、どんな環境でも生き抜く力、変化を恐れない姿勢、最小限の荷物で生きる工夫など、グローバル時代に不可欠なスキルが自然と身につきます。

ある卒業生は「ミネルバでの4年間は、人生の圧縮版だった。普通なら10年かかる経験を4年で味わった」と語っています。

西岡壱誠(著)、未来図編集部(監修)『へんな学部 令和ニッポンのユニーク学問最前線』(笠間書院)
西岡壱誠(著)、未来図編集部(監修)『へんな学部 令和ニッポンのユニーク学問最前線』(笠間書院)

【3.「問い続ける」ことを徹底的に訓練される】

ミネルバの授業では、正解を暗記することよりも「なぜ?」を問い続けることが重視されます。教授は答えを教えず、むしろ学生の発言に対して「その根拠は?」「他の視点からはどう見える?」と問い返します。

この訓練を4年間受けることで、社会に出てからも「上司の指示を鵜呑みにしない」「常識を疑う」「より良い解決策を探し続ける」姿勢が身につきます。本書で紹介したような「へんな学部」に共通する「自分で考える力」が、ミネルバでは最も純粋な形で鍛えられるのです。

【4.生涯の仲間との出会い】

150人という少人数で、4年間世界中を一緒に移動し、寝食を共にする――この経験を通じて築かれる絆は、普通の大学とは比較になりません。卒業後も世界中に散らばった仲間たちとネットワークを保ち、互いのプロジェクトを支え合うケースが非常に多いと言われています