自分の子にiPadを使わせないスティーブン・ジョブズ

「自分が売る麻薬でハイになるな」

面白い事実を紹介しましょう。私たちのスマホやタブレット、アプリの開発に携わっている天才的な頭脳の持ち主たちが、自分の子どもにはそれらを使わせないことは珍しくありません。麻薬取引の鉄則に、「自分が売る麻薬でハイになってはいけない」というものがありますが、これはIT業界の大物にも当てはまるようです。スティーブ・ジョブズは、自分の子どもたちにはiPadを使わせていないとニューヨーク・タイムズ紙に告白しています。

スマート フォンに南京錠とチェーン
写真=iStock.com/ia_64
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集中力アップのコツ

デジタル・デトックス

デジタル・デトックスは、スマホの使用を減らすための良い方法なのでしょうか?

マルク・ティッヘラー、オスカル・デ・ボス『脳をオフにせよ 仕事も人間関係もうまくいく集中術』(日経BP)
マルク・ティッヘラー,オスカル・デ・ボス著/児島修訳『脳をオフにせよ 仕事も人間関係もうまくいく集中術』(日経BP)

ドイツの大学は、被験者の学生を3つの群に分けてこれを研究しました。1番目のグループには7日間スマホを使うのをやめさせ、2番目のグループには1日の使用時間を1時間に制限し、3番目のグループには何の制約も課しませんでした。その結果、意外にもスマホの使用を1日1時間に制限したグループのほうが、スマホを7日間使うのをやめたグループよりも、その後のスマホ使用が減少しやすく、かつ長続きすることがわかりました。

スタンフォード大学の行動科学者であるB・J・フォッグは、スマホの使用を減らすのに役立つ方法を開発しました。それは「タイニー・ハビット(小さな習慣)」と呼ばれるもので、現在では世界中の何百万もの人々に採用されています。これは、「望ましい行動を、すぐに習慣にしやすくするために、小さくする」というものです。これは、新しい習慣を既存の習慣に組み合わせるのにも役立ちます。

その公式はこうです。

[既存の習慣]の後、[新しい小さな習慣]をする。
(例:「家に帰ったら、スマホを機内モードにする」「夕食後、スマホをキッチンの引き出しに入れる」)

やり方は人それぞれです。新しい習慣を小さく、シンプルにして、自分に合った方法を見つけましょう。

マルク・ティッヘラー
認知心理学者

神経心理学の専門家。集中力・注意・脳の働きを専門に研究し、最新の神経心理学の知見を実践的に解説する研究者。集中力をテーマにした著書は国際的なベストセラーとなり、20以上の言語に翻訳されている。脳科学・心理学の研究成果を、仕事や日常で実践できる具体的な方法に落とし込むことに定評がある。TEDx登壇や国際カンファレンスでの講演を通じ、世界各国で集中力とパフォーマンス向上について発信。オスカル・デ・ボス生産性・集中力向上の実務家。研修企業「Focus Academy」の創設者として、企業・組織向けに集中力と生産性向上を支援している。ポッドキャストや講演を通じて、集中力や脳の休ませ方に関する最新情報を継続的に発信している。

オスカル・デ・ボス
生産性・集中力向上の実務家

ビジネスパーソンの生産性と集中力アップを支援する研修会社「フォーカス・アカデミー」の創設者。同社でアプリやビデオ、書籍など、幅広く実用的なツールを開発。ワークショップや講演などの活動を積極的に行う。英語やオランダ語でのプログラムも提供。