冷凍と冷蔵を同時に温められる電子レンジ

電子レンジの場合、少人数世帯が最も使うのは温め機能。そこで、最上位機種と同じ、冷凍食品と冷蔵品を同時に温められる高精細・64眼スピードセンサーを搭載している。これは、庫内64カ所それぞれの温度を瞬時に検知する64眼を備えたセンサーで、食品の温度や分量などを見分けて温める。一方、少人数家庭があまり使わないオーブン機能は搭載していない。

電子レンジNE-FB2D(左)(2025年9月発売)。冷凍食品と冷蔵食品を同時に温められる(右)。
写真提供=パナソニック
電子レンジNE-FB2D(左)(2025年9月発売)。冷凍食品と冷蔵食品を同時に温められる(右)。

ホームベーカリーは、2人で食べ切れることを想定した業界最小サイズの0.6斤分を開発。幅、奥行、高さのいずれも1斤分より一回り小さく、幅は18.8cmしかない。1斤分のビストロSD-MDX4の場合、幅は26.3cmと約1.4倍だ。

冷蔵庫には、マイナス3度の微凍結「パーシャル」か、約0度のチルドか選べる「パーシャル/チルド切替室」を設置。パーシャルの場合、薄切り肉をはがせる状態で約14日間保存できる。幅も奥行きも60cmなので、狭めのキッチンでも納めやすい。ただし3ドアで容積は326Lだけ。5ドア冷蔵庫は400~500L台が一般的なのに比べると、かなりコンパクトだ。

また、日本電気工業会自主基準で2人分の食器12点が入る、置き型の食器洗い乾燥機も用意した。奥行きは29cmである。

【図表】パナソニック小世帯向け製品の機能比較
*日本電機工業会自主基準による ※ 取材内容をもとに編集部で作成

世帯の多様化は平成以降続いてきた傾向だが、なぜパナソニックが少人数世帯向けの商品を投入するのが今だったのだろう。

船引さんは、「以前は2人世帯の価値観やライフスタイルもファミリー世帯に近かったのですが、コロナ禍以降、単身世帯に近い方が増えてきたと感じています。また、限られた空間において自分にとって心地よいものを選び、暮らしに余白を作りたいといった意識も以前より強まっています」と説明する。潜在需要が顕在化したのが、コロナ禍明け頃だったと言える。

事業部ごとの生産体制を取ってきた同社が、各事業部が開発した商品を一括してライフスタイルを提案する背景には、事業部間の連携を強化する環境の変化がありそうだ。

2023年10月、家電関連部門が集結するパナソニック目黒ビルがオープン。商品企画やマーケティング、一部の開発部門が集まるビル内には、リラックスできるソファやルームランナー、人工芝を敷いた部屋があり、気さくに情報交換できる環境を整えた。「例えば、冷蔵庫と洗濯機のマーケティング部門が隣り合っていて、すぐに会話できます。同じビルに集約したことで、以前より連携しやすくなりました」と岡橋さん。