自慢話ばかりしてくる相手にどう対応すればいいか。作家のマティアス・ネルケさんは「自慢話には控え目な質問で返すのがお勧めだ。具体例を2つ紹介しよう」という――。

※本稿は、マティアス・ネルケ『私を消耗しない賢明な態度』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。

女性が同僚に語る
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“控え目な表現”が力を発揮する3つの条件

アンダーステイトメントとは何だろう?

英語の辞書でも意味は確認できるが、控えめな振る舞いを表す言葉だ。実際よりも小さく、低く、重要ではないかのように言い表すことを指す。

本当はドラマチックな状況なのに、たいしたことではないかのような言い方をするときがまさにそうだ。

どのような表現がアンダーステイトメントにあたるのか、具体的な例で説明しよう。

例えば、自分の講演に聴衆が大勢集まっているとする。

この状況を「客席がそこそこいい感じに埋まっている」と控えめに表現するようなケースだ。

語り手は、控えめに話すことで相手を惑わしたり、誤った情報を広めたりしようとしているわけでは決してない。

この場合、アンダーステイトメントが成立するには、次の3つの条件を満たす必要がある。

第一に、客席の聴衆の数は「そこそこ」ではなく、大勢であること。理想は満席。第二に、説明を聞いた人も、客席の埋まり具合は「そこそこ」ではなく、それ以上に埋まっていると知っている、あるいは、盛況だと予想していること。

幸せも不幸も控えめに表現する

第三に、講演するのは、語り手自身であること。

私たちが、たいしたことではないかのように控えめに表現するのは、ほとんどいつでも自分自身について説明するときだ。

それが喜ばしいことであろうと、それほど喜ばしくないことであろうと。

例えば、不幸なことが起きたり、ついていなかったりするとき。そんなとき、慰めや励ましの言葉をかけてほしいと思うだろう。

そこで不幸な出来事をこと細かに説明して同情を引こうとするのではなく、相手にこんなふうにほのめかす。

「まあ、この程度ですんでよかった。もっとひどい目にあうことも考えられただろうし」と。

このとき、自分の身にふりかかった災難については多くを語らない。よくないことがあったという事実だけで、それ以上は話さないのがポイントだ。

控えめに振る舞う代表的な機会は、何かに大成功したときだ。

私たちが偉業を成し遂げ、世界中が私たちに夢中になっているとき。

そんなことはめったに起こらないだろう。

だが、もしもそんな機会が訪れたら、スマートに控えめに振る舞う絶好のチャンスだ。