「普通の鉄の板」に見えた

寺西社長から見て、従来のブレードは「一般的な鉄の板のようだった」という。普通鋼では強度が足りずに、曲がったり折れたりしてしまうことが容易に想像できた。しかし、山一ハガネが普段扱っている特殊鋼であれば、スケートの使用に耐えうる特性を持つ素材がある。

また、従来のブレードは、刃の部分と靴に取り付けるプレートを溶接してつないでいたが、溶接の精度および部位による強度の違いにより、回転、ジャンプなど、滑りの際の負荷に耐えられず、折れたり曲がったりする原因になっていた。そのため、寺西社長は「つくるなら削り出しの一体構造しかない」と、すぐに思ったという。「削り出し」とは、機械で素材を目的の形に削り出すため、つなぎ目のない一体構造になる。彫刻のようなイメージだ。