10万円パートは手取り1万5000円減

10月からは、今まで社会保険に加入しなくてもよかったパートでも、週20時間以上働いていたら、全員が社会保険に加入し、保険料を支払わなくてはならなくなります。

自営業者やシングルマザーなど国民健康保険、国民年金に加入している人は、会社が社会保険料の半分を負担してくれるので支払いが減ります。ただ、サラリーマンや公務員の妻は、これまで夫の社会保険が妻の分まで負担してくれていたので、自分は一銭も保険料を負担しなくても国民健康保険、国民年金に加入している扱いになっていました。ところが、これからは自分で負担しなくてはならず、そのぶん手取りが減ることになります。

具体的には、40歳以上で月に10万円もらっていたパートの場合、健康保険料と厚生年金保険料と介護保険料で月約1万5000円を払うことになり、手取りはおよそ8万5000円に減ります。

名称変更の隠れ蓑でステルス増税

アメリカとの約束で約43兆円の防衛費を捻出するために、2027年1月から防衛増税がスタートします。

「防衛増税」は、「復興特別所得税」2.1%のうち1%を充てるということで、目先で見れば「復興特別所得税」2.1%が、「特別復興所得税」1.1%+「防衛増税」1%なので、取られる金額は変わらないように見えます。ただし、2037年で終わるはずだった税金徴収が10年延びて、2047年末にならないと終わらないので、目に見えないステルス増税ということです。

2037年から2047年までは「防衛増税」のみの1%の徴収ですが、この先20年は細く長く続くことになります。

電子タバコを吸う男性
写真=iStock.com/danchooalex
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また、「防衛増税」の財源確保として、喫煙者の方には2026年4月から加熱式たばこの増税も待ち受けています。銘柄によもよりますが、2026年は2段階に分けて、1本あたり1円〜2.5円の増税となり、2027年からはさらに税率が上がる予定です。1日1箱(20本入り)加熱式たばこを吸う人なら、月あたりで最大約1500円、年間で最大約1万8000円も支出が増えることになりそうです。

紙巻きたばこについては、2026年は値上げが予定されていませんが、2027年から3年かけて、毎年1本あたり0.5円ずつ値上げされる予定。つまり、3年間で1本あたり計1.5円増税され、防衛費に充てられるということです。

以上は、すでに決まっている大きな増税並びに社会保険料負担増ですが、この先も自民一強政権であるため、独断的に物事が決められそうです。手取りを増やすどころか、さまざまな負担増を決めてくる可能性があるので、注意が必要です。

荻原 博子(おぎわら・ひろこ)
経済ジャーナリスト

1954年、長野県生まれ。経済ジャーナリストとして新聞・雑誌などに執筆するほか、テレビ・ラジオのコメンテーターとして幅広く活躍。難しい経済と複雑なお金の仕組みを生活に即した身近な視点からわかりやすく解説することで定評がある。「中流以上でも破綻する危ない家計」に警鐘を鳴らした著書『隠れ貧困』(朝日新書)はベストセラーに。『知らないと一生バカを見る マイナカードの大問題』(宝島社新書)、『5キロ痩せたら100万円』『65歳からはお金の心配をやめなさい』(ともにPHP新書)、『年金だけで十分暮らせます』(PHP文庫)など著書多数。