取り組むべきは天皇陛下の“強い願い”実現
そもそも皇室典範では、養子縁組を否定し(第9条)、婚姻以外による皇籍の取得をすべて否定している(第15条)。これはなぜか。
その理由を、今の典範が制定される際に法制局(内閣法制局の前身)がまとめた「皇室典範案に関する想定問答」(昭和21年[1946年])では、次のように説明している。
政権与党は「皇位継承資格の純粋性(君臣の別)」をないがしろにする方策を「第一優先」で推し進めるつもりなのか。
それよりも真っ先に取り組むべきは、ついに天皇陛下ご自身が記者会見という公の場で表明された“強い願い”に、政治が責任をもってお応えすることではないか。
それは敬宮殿下をはじめ未婚の女性皇族方がご結婚後も皇族の身分にとどまられることを可能にする皇室典範の改正にほかならない。その際、夫婦・親子が皇族と国民として身分が違う“異例の家族”を当事者に強制するようなことがあってはならない。近代以来の「家族は同じ身分」という原則がそのまま適用されるべきことは、当たり前だ。
この第一歩を踏み出してこそ、多くの国民が期待する「女性天皇」「愛子天皇」への道も開かれる。
1957年、岡山県生まれ。国学院大学文学部卒、同大学院博士課程単位取得。皇位継承儀礼の研究から出発し、日本史全体に関心を持ち現代の問題にも発言。『皇室典範に関する有識者会議』のヒアリングに応じる。拓殖大学客員教授などを歴任。現在、日本文化総合研究所代表。神道宗教学会理事。国学院大学講師。著書に『「女性天皇」の成立』『天皇「生前退位」の真実』『日本の10大天皇』『歴代天皇辞典』など。ホームページ「明快! 高森型録」