最新AI「30年後に“廃絶”が“存続”の可能性を超える」

また別に最新のAIを使って、起点を同じく男子1名とし、有配偶率85%、平均子供数1.5人、男児出生率51%として10万回の確率的シミュレーションを行った結果では、皇統が存続できる確率は以下の通り。

第1世代(約30年後)=45.4%
第2世代(約60年後)=24.8%
第3世代(約90年後)=14.7%
第4世代(約120年後)=9.1%
第5世代(約150年後)=5.7%

こちらも厳しい結果になっている。この試算では、第1世代からすでに皇統の存続よりも廃絶の可能性の方が高くなる。第2世代ではほぼ存続が不可能な状態だ。

したがって、皇統の存続を望むのであれば、高市氏の答弁とは逆に、現在の男系男子限定ルールはすみやかに撤廃されなければならないことが分かる。

それとも、高市氏は皇統の廃絶を望んでいるのだろうか。

念のために、同じ条件で女性天皇、女系天皇を認めた場合はどうなるか。こちらは男女不問なので、起点はひとまず若年皇族3名とした。

第1世代=96.0%
第2世代=90.0%
第3世代=85.0%
第4世代=81.5%
第5世代=78.8%

これを見ると、第5世代でもおおむね安泰と言えるだろう。

両者を比較すると、皇室の存続を願うならば、どちらを選ぶべきかは改めて言うまでもない。

【図表1】皇統存続確率の推移

「皇室の伝統」とは何か

ここで思い出しておきたいことがある。平成の有識者会議報告書が提出された時に、宮内庁に詰める記者が上皇陛下に、女性天皇、女系天皇を認めると「皇室の伝統の一大転換になります」として「皇室の伝統とその将来」について質問した時のことだ(平成17年12月19日)。

この時、上皇陛下は記者が前提とした“思い込み”をくつがえす答え方をされた。

「私の皇室に対する考え方は、天皇及び皇族は、国民と苦楽を共にすることに努め、国民の幸せを願いつつ務めを果たしていくことが、皇室のあり方として望ましいということであり、またこのあり方が皇室の伝統ではないかと考えているということです」

これは、「皇室の伝統」は狭い男系男子による継承などではなく、「国民と苦楽を共にする」という望ましい「あり方」を受け継ぐことこそが本質だから、女性天皇、女系天皇を認めても、それを支える精神が維持できれば皇室の伝統は守られる、という考え方を示されたものだ。その“精神の継承”は、普通に考えると傍系よりも「直系」によってこそ、より確かに受け継がれるだろう。

実際に、この時の報告書による皇室典範の改正は、天皇皇后両陛下のご長女、敬宮殿下が将来、即位できるようにする内容だった。