たくさんの収穫を得たので「失敗」じゃない
今回開店したからこそ、完全キャッシュレスのオペレーションシステムを構築できた。「ガイアの夜明け」の密着取材や、LOFTさんとのコラボグッズ共同販売も、すべてツリーアンドツリーズをやってみたおかげ。
そう考えると、これは失敗ではなく、学びが多くてたくさんの収穫を得た機会と捉えられます。
そして、「ガイアの夜明け」の宣伝効果は凄まじいもので、他店の売上を押し上げ、併せてドムドムハンバーガーの知名度も上げてくれました。もちろんLOFTさんとのコラボグッズも好調で、当時のドムドムのライセンスビジネスの中ではトップの売上になったのです。
翌月、今度は「銀座」に挑戦することに
まだ、ツリーアンドツリーズを営業していたときのことです。私の講演を受講された「銀座スイス」という老舗洋食店の社長様が来店され、和牛バーガーの味を絶賛してくださいました。「銀座でやったほうがいい」と褒めてくだったうえに、「元の店があった場所で、ビルの解体をするまで使える物件があるから、よかったらそこでやらないか」と、お誘いまでいただいたのです。
そのときは銀座に出店する余裕がなく、お断りするしかありませんでした。しかし、ツリーアンドツリーズの撤退が決まったときに、ふとそのお誘いを思い出し、ダメもとで連絡をしてみると「ぜひ使ってください」とのこと。怪我の功名というか、ひょうたんから駒というか、なんと銀座に店を出すことになったのです。新橋から撤退した翌月のことでした。
銀座で店を構えるなら、和牛バーガーだけでなく、ドムドムハンバーガーのメニューも提供したいと考え、「ドムドムハンバーガーPLUS銀座店」に店名を変えて再スタートしました。
言うなれば、これは銀座への栄転。新橋店を短期間で畳むネガティブなイメージを払拭できたのではないでしょうか。
新橋店を畳んだことを「失敗」と呼ぶなら、銀座への栄転は「成功」。
うまくいかないことが起きたら、そこではもちろん反省します。ただ、失敗で立ち止まるのではなく、「これをどう花咲かせられるか」を考えれば、成功にたどりつけると思える出来事でした。
私にとって、失敗は「道の途中に起こる出来事のひとつ」でしかありません。だから、失敗したことをすぐ忘れてしまいます。講演会や取材で失敗談を求められるのですが、もはや何の話をすれば失敗エピソードになるのか、自分では判断できなくなっているほどです(笑)。