フリーランスや自営業は国民年金にフル加入
今の平均寿命は男性が81歳、女性が87歳と言われていますが、これはあくまでも平均寿命の話です。「寿命中位数」というデータがあります。これは同じ年に生まれた人の半数がまだ生存しているという年齢のことですが、それによると男性は84.4歳、女性は90歳となっています。つまり2人に1人はこの年齢まで生きているということです。
であるならば、今の時代は70歳まで働くのも不思議なことではありません。働けるうちはできるだけ長く働いて年金を増やすということを考える時代になってきているのではないでしょうか。
フリーランスや自営業で将来の年金受給額を増やす方法としては、60歳以降も国民年金に任意加入することです。
もっとも、これは誰でも加入できるというわけではありません。たとえば20歳になってからも学生時代に年金保険料を払っていなかった、または稼ぎが厳しく保険料を免除してもらった期間があるために満額期間、加入していなかった人もいます。そういう人は年金支給額が少なくなるため、60歳以降に480カ月の期間に到達するまでは、国民年金に任意加入すれば年金額は増えます。
また、自分で年金を増やす方法としては「付加年金」という制度もあります。これは毎年の国民年金保険料に上乗せして月額400円付加保険料を納付することで、将来受け取れる年金額が増額されます。
「老後」を10年以上過ごして気づいたこと
さて、これまで自分自身で公的年金の受給額を増やすためにはどうすればいいかについてお話をしてきましたが、次は老後の生活を送るために公的年金をどう活用するのがいいか? その位置付けと活用法についてお話をしたいと思います。
夫・英樹は70歳まで繰り下げして公的年金の受給を開始しました。勤めていた会社を定年退職したのが60歳で、定年後に半年の再雇用を経て起業しました。再雇用の間は週3日勤務だったので厚生年金には加入していませんでしたが、起業後は株式会社を設立したので、夫は70歳まで、私は現在も厚生年金加入者です。
そんな私たちが定年後の生活を10年以上リアルに体験して感じるのは、「老後のお金はしっかりした三層構造」だということです。これは具体的にどういう意味なのでしょう?