東大に合格するたの勉強法としても有効

【マーク】『東大思考』を私も読ませていただきました。特に印象深かったのが「uni」の話です。uniには「1つ」というコアとなるイメージがあって、「ユニフォーム(uniform)」や「ユニーク(unique)」にも、その意味が含まれている。このように関連づけられれば効率的に語彙を増やせるんですよね。

私も30代になってからの学び直しで、語源を探るということをよくやっていました。調べていくと、「この単語はラテン語から来ている」ということなどもわかってきます。意識的にやっていたわけではないですが、私も英単語を一つひとつ丸暗記するのではなく、そういうふうに語彙量を増やしてきました。

【西岡】東大の入試でも、その本質を理解できていないと解けない問題が頻繁に出題されています。

例えば2014年の入試で、「文中の『order』という単語の意味を考え、それと同じ使われ方をしているorderを次の5つの英文から選べ」という問題が出題されました。orderには「命令」「順番」のほかに、「整頓」という意味もあります。orderの根本にはどのような意味があるのかを知らないと解けない問題です。

先ほどマークさんがおっしゃっていたことは、まさに東大入試に求められる能力でもあるんです。『英語ピクト図鑑』を読んでピクトのイメージと結びつけて覚えていくのは、東大に入るための勉強法としても、とても有効だと思います。

東大英語は「英語力」だけでは太刀打ちできない

【マーク】東大に合格する人には、どのような共通点があるのでしょうか。何か特徴的な勉強法というのはありますか?

【西岡】一つ言えるのは、東大英語は「英語力だけでは勝てない」ということです。よく言われる話ですが、帰国子女だからといって、東大入試の英語の問題が解けるわけではありません。なぜかというと、英語力だけではなく日本語力も必須だからです。

例えば2013年の東大入試で、次の英文を限られた文字数で要約せよ、という問題が出ました。

この中に登場する「durable」という単語は「丈夫である」とか「耐久性がある」という意味ですが、そのように訳すと文字数が増えてしまいます。でも、「強靭」と訳せばたった2文字に収まるわけです。

つまり日本語と英語の語彙のネットワークがしっかりと頭の中にインストールされているかが問われているんです。

【マーク】確かに、それは帰国子女やネイティブの人であっても、なかなか答えられませんね。

マーク(村木幸司)『見るだけでわかる‼ 英語ピクト図鑑』(プレジデント社)
マーク(村木幸司)『見るだけでわかる‼ 英語ピクト図鑑』(プレジデント社)

【西岡】おもしろいのが、東大英語には、「漢字を英語に直す」という勉強法があるんです。僕は英語が苦手だったので、東大を受けるにあたってどのような対策をしたらいいかを東大に合格した友人に聞いたところ、漢字の参考書に書かれた漢字の下に英訳を書くという勉強法を勧められました。「難しい2文字の漢字を、英語では何になるのか」という勉強法です。

やってみると、どんな難しい漢字でも、ほとんどは簡単な英単語で言い表せるんです。例えば「容貌」という漢字だったらどうでしょうか。さぞかし難しい英単語なのかと思うかもしれませんが、答えは「looks」です。「厳格」なら「strict」という形容詞一語で表現できますよね。

僕は、日本語力と英語力は「竹馬」のような関係だと思っているんです。どちらか一方だけを前に伸ばすのではなく、両方を交互に動かして前進していかないと、英語の成績は伸びていかない。言語的なセンスや能力は、このようにして高まっていくのだと考えています。

実際、東大英語で高得点を取れている人は、英語だけではなく日本語の語彙力がとてもすぐれていると感じています。