仕事一筋の寡黙な父親ととにかく社交的な母親
関東地方在住の雨宮木綿子さん(仮名・40代)は、3人姉妹の末っ子。
父親は高校卒業後から自動車関係の仕事をし、21歳の時に3歳年上の母親と出会い、3年後に結婚。母親は結婚を機に仕事を辞め、30歳で長女を、32歳で次女を、37歳で雨宮さんを出産した。
「父は仕事一筋の寡黙な人ですが、自転車の乗り方を教えてくれたり、旅行に連れて行ってくれたりと、意外と子煩悩だったかもしれません。母はとにかく社交的な人。町内会やPTAの役員をやったり、茶道や書道を習ったりして、活動的で友人知人が多く、一歩家を出れば誰かに会って立ち話が始まるため、一時間以上帰って来ないことが日常茶飯事でした」
家族仲は良く、毎年必ず父親の運転する車で家族旅行に出かけていた。
雨宮さんが中学生になると、父親が静岡で単身赴任になったが、毎週末父親は車で4時間かけて帰ってきていた。
当時は父方の祖母が高齢になり、両親は二世帯住宅を建てて祖母と同居を始めていたため、家族全員で家を空けることは難しかった。そのため、連休があるたびに母親と娘1人、娘2人など2人対2人に分かれて父親の単身赴任先に遊びに行っていた。
やがて姉たちが結婚して家を出て行き、雨宮さんは短大を卒業して事務職として働き始める。
翌年、友だちの紹介で、技術系の会社で働く1歳上の男性と出会うと、22歳で結婚。実家から電車とバスを乗り継いで1時間半ほどの場所で生活を始めた。