他人に流されず、自分軸のある人は何をしているか。脳科学者の茂木健一郎さんは「自分の人生や仕事で、何が大事なことかということをいつも整理できている人は、自分自身との対話によって、自分の価値観を常日頃から確認している。逆に、自分自身の考え方を整理できていないと、どうしても小さいことに囚われてしまったり、ついつい他人に流されたりして、自分自身を見つめ直す時間をつくることはなかなか難しい。白洲次郎のようにプリンシプルに生きるには、自分の考え方を一度整理してみるといい」という――。

※本稿は、茂木健一郎『脳をしっかり休ませる方法』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

市街の景色を望むオフィスに立つ若いビジネスマン
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職場を離れてもなかなか気持ちが休まらないときは

普段、仕事で疲れていると、休日はベッドの上やソファでダラダラと過ごす人もいるのではないでしょうか。あるいは、極力体力を使わずに、1日中ゲームをして休日を過ごす人もいるかもしれません。

ですが、そんなときに、何となく身体のだるさを感じてしまうという経験をしたことはないでしょうか。

特に、忙しく働いているビジネスパーソンのなかには、「職場を離れてもなかなか気持ちが休まらない……」という人が少なくないようです。

繰り返しになりますが、心身の健康を維持していくためには身体を休めるだけではなく、脳からしっかりリラックスさせ、疲労を回復させることが大切です。

脳がリラックスしている状態というのは、副交感神経が優位に働いています。

逆にいえば、交感神経が優位に働いている状態では、脳も活発に働いていることになります。

つまり、日頃忙しく働いているビジネスパーソンというのは、脳が働いている状態とリラックスしている状態を上手に切り替えられるようになることで、脳をしっかりと休ませることができるようになるというわけです。