脳をいつまでも若々しく保つためには、何を摂取すればいいか。精神科医の保坂隆さんは「少し前までは『コーヒーは体に悪い』という報告があったが、近年はコーヒーが死亡リスクを低下させ、香りを嗅ぐだけでも血管の若返りに役立つということがわかっている。一杯のコーヒーで、しなやかで丈夫な血管が守られ、さまざまな病気が防げるのなら、こんなに楽で、ありがたい健康法はない」という――。

※本稿は、保坂隆、西崎知之『おだやかに80歳に向かうボケない食生活』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

「カフェインが多くて体によくない」コーヒーは過去の話

近年、“評価”が高まっているのがコーヒーです。

挽きたての豆でコーヒーを蒸す
写真=iStock.com/inventbart
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少し前までは「カフェインが多くて体によくない」とか「一日3杯以上は体に悪影響を及ぼす」などといわれて、ヘルシーなイメージはありませんでしたが、最近は一変。体にいいものだというデータが次々と発表されて、一躍ヘルシーな飲み物として脚光を浴びました。

そのため、今まで肩身の狭い思いをしてきたコーヒー好きは、上機嫌でコーヒーを周囲にすすめ、アメリカではその消費量も増えているといいます。

公表されたデータのなかには、「コーヒーを飲むとがんにかかりにくい」とか「肝機能を高める」「脂肪燃焼効果がある」など、現代人にうれしい内容も多く、今や「コーヒーは体に悪い」というのは過去の話になったようです。

日本でも、東京大学と国立がん研究センターが「コーヒーを飲む習慣のある人は心臓病や脳卒中などによる死亡リスクが低下する」という調査結果を発表して話題を呼びましたが、さらに「コーヒーを一日3~4杯飲むと、心臓病死の危険性が4割減る」という報告もあって、評価が一気に高まりました。