白洲次郎のようにプリンシプルに生きるには

こうした、「自分の軸」をブレさせることなく生きた人物がいます。

吉田茂首相の側近として活躍し、占領中のGHQから「従順ならざる唯一の日本人」と呼ばれた白洲次郎です。

白洲次郎は、あのマッカーサーをしかりつけたなど、実に数々の逸話を残しているわけですが、彼がよく口にしていた次の言葉があります。

「プリンシプル(principle)に生きる」

プリンシプルは、「原理」「原則」などと訳されるのですが、「プリンシプルに生きる」ということは、すなわち「軸を持って生きる」といいかえることができるのではないでしょうか。

では、白洲次郎のように、プリンシプルに生きるには、一体どうすればいいのでしょうか。

それこそが、先に述べた「自分の考え方を一度整理するために脳を休める時間を意識的につくり出す」ということにつながってくるというわけです。

実際に、自分自身の考え方をしっかり整理できている人というのは、何が重要なものであるかということが、しっかり理解できている人といえます。

逆に、自分自身の考え方を整理できていない人というのは、どうしても小さいことに囚われてしまったり、ついつい他人に流されたりしてしまいます。

このような行動パターンでは、自分自身を見つめ直す時間をつくることはなかなか難しいでしょう。

自分自身との対話によって、自分の価値観を常日頃からチェック

自分の人生や仕事で、何が大事なことかということをいつも整理できている人は、自分自身との対話によって、自分の価値観を常日頃から確認しているのです。

茂木健一郎『脳をしっかり休ませる方法』(三笠書房)
茂木健一郎『脳をしっかり休ませる方法』(三笠書房)

こうした自分自身との対話こそが、脳を休ませている時間ということです。

皆さんのまわりにいるはずです。

まったく他人に流されることなく、やりたいことをやっている人。

いつもエネルギッシュで行動的だと感じる人。

そういった人というのは、自分の考えや価値観をしっかり整理する習慣を持っているのです。

それはイコール、脳を休ませてしっかりと自分を見つめ直す時間を持っているということに、他ならないのです。

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