仕事で成果を出すには脳をどのように使うといいか。脳科学者の茂木健一郎さんは「脳を休ませてアイドリングさせる時間がなければ、クリエイティブなことは思いつかない。アーティスト集団『チームラボ』の代表を務めている猪子寿之氏は一見すれば常に余裕を持っているように見えて、実は世界的に大きな成功を収めているという好例だ。日々の仕事の隙間時間に『ボーッと何もせずに余裕を持つ』ことを意識的に取り入れてみるといい」という――。

※本稿は、茂木健一郎『脳をしっかり休ませる方法』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

薄暗い部屋で書類の山を整理するビジネスマン
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「ボーッと過ごす」がクリエイティブに生きるカギ

「ただただ、ボーッとした時間を過ごす」

こんなことを聞くと、「やる気がない」「時間がもったいない」などと考えてしまうビジネスパーソンが多いようです。

ところが、最新の脳科学では「ぼんやりと過ごす」ことの重要性が浮かび上がってきています。

ただただ、ボーッとした時間を過ごす目的はいうまでもなく、脳を休めることです。なぜ、脳を休ませるのかといえば、一時的に集約された情報や記憶を整理するためです。

脳を休ませてアイドリングさせる時間がなければ、クリエイティブなことは思いつかないといっても過言ではないのです。

「ただただ、ボーッと過ごす」という時間をどれだけ確保できるかが、クリエイティブに生きるカギになるわけです。

ボーッとするということは、脳の「デフォルト・モード・ネットワーク」(脳の別の領域同士が同期して、協調して活動し、1つの機能を果たしていること)を働かせることにもなります。

すると、これまで思いつかなかったような「ひらめき」が生まれることになるのです。