一流クリエイターに共通する仕事術は何か。脳科学者の茂木健一郎さんは「集中的に仕事を続けているときというのは、脳の疲労が溜まりやすい。そのため多くの一流クリエイターはまるで夏休みの小学生のように、脳を休めることに重きを置いている。例えば映画監督で脚本家でもある小津安二郎は、山小屋にこもり、同じく映画脚本家の野田高梧と連日お酒を飲みながら60、70本と一升瓶をあけて脚本を完成させていたそうだ。このように自分なりの疲労回復法を考えることも、重要な仕事のテクニックである」という――。

※本稿は、茂木健一郎『脳をしっかり休ませる方法』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

山の中の木造キャビン
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一流クリエイターの上手な脳の休ませ方

結果を出し続けて成功しているビジネスパーソン、あるいは一流と呼ばれているクリエイターやミュージシャン。

私が知る数多くの方々には、ある共通する点があることに気がつきました。それは、脳の休ませ方が非常にうまいということです。

実は、この脳を休ませるということと、創造性というのは密接に関係しているのです。

たとえば、ユーミンこと松任谷由実さん、ゆずの北川悠仁さん、布袋寅泰さん、そして秋元康さんなど、錚々たる方々とお会いして話していると、不思議とみんながみんな「余裕がある雰囲気」の持ち主だったのです。

もはやいうまでもありませんが、ここに名前を挙げた一流のミュージシャンやクリエイターというのは、毎日忙しく仕事をしているに違いありません。

では、日頃から仕事に追われ、がむしゃらに働いているビジネスパーソンと、そうした一流のクリエイターでは、一体何が違うのでしょうか。