「仕事ができる人」と「できない人」は何が違うのか。『仕事で伝えることになったら読む本』(アルク)を書いた濱田秀彦さんは「上司への報告のやり方が全然違う。仕事ができない人と思われないために、『3つの話法』を参考にしてほしい」という――。(第1回)

部下の状況が把握しにくくなっている

忙しい日々の仕事の中で、わざわざ報告しているのに、上司から「もっとマメに報告をしてくれ」と言われる。任されていない感じもしますし、上司の要望に応えれば手間が増える。悩むところです。

仕事に疲れている男性
写真=iStock.com/Liubomyr Vorona
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そもそも、どうして上司はそんなに報告を求めるのでしょうか。それは、パソコンとスマホのせいです。パソコンもスマホもなかった時代、上司は部下の動きを見ていれば、状況が把握できました。部下の机を見れば、何の書類を作っているかわかりますし、ときどき固定電話を取れば、誰から何の用件でかかってきたのかを把握できました。

しかし、今は部下を見ていても状況は把握できません。部下はパソコンに向かって黙々と仕事をしている。たまにスマホを見て、何やら返信している。いったい何をやっているのかわからない。これはマネジメントにとって致命的な問題です。

頼みの綱は部下が自主的に報告をしてくれること。上司も結構必死なのです。だからと言って、こちらは報告にばかり時間をかけるわけにはいきません。そこで、本稿では、短い時間で上司が納得するような報告をする方法を提示します。

「報告はサービス」と割り切る

そもそも、報告とはなんでしょう。「報告は面倒な義務」だと思っていたら、あなたの報告はよくなりません。報告の本質は「仕事の発注者に対する情報提供サービス」です。上司や顧客という発注者(クライアント)に向けた「サービス」と割り切るのがお勧めです。なぜなら、そう考えると発注者を起点に「何を求めているのか」「どんなタイミングでどう話せば満足度が上がるのか」と発想することができるからです。

発注者である上司の満足度が上がれば、あなたにも大きなメリットが生まれます。評価が高まるのです。上司が人事考課をする際、思い出すのはあなたの報告シーン。どんな成果をあげたのか、きちんと伝わっていれば成果の考課点にプラスの影響が出ます。それだけではありません。簡潔に話せていれば、能力考課のコミュニケーションのスコアが上がります。

極論すれば、報告は上司や顧客に対するプレゼンでもあるのです。手間をかけず、効果はマックス。そんな報告をするための方法を本章で身につけていきましょう。