Aさんに無関心な夫と息子

「間取りは、そこに住む家族の人間関係を映す鏡である」――。

建築士として数多くの住まいを見てきて、私は確信するようになりました。家族それぞれが“専有空間”を持ちたがることで、空間の再配分は進まず、その結果、家庭の中でもっとも日常を支えている人(多くの場合、それは妻)が、居場所を失ってしまう。しかもこれは“当たり前”無自覚の構造”であることが多いのです。Aさんのご家庭でも、夫も息子も、「妻が/母親がどこで寝ているのか」を真剣に考えたことがなかったと言います。