幼少期から神童と目された

史実における大田南畝と蔦重の出会いも、ほぼ「べらぼう」で描かれたとおりである。

南畝は天明元年(1781)、役者評判記のパロディとして、黄表紙(洒落や滑稽を交えた大人向けの絵入り小説)の評判記である『菊寿草』を刊行。そのなかで、蔦重が出版した朋誠堂喜三二の『見徳一炊夢』に最大級の評価(巻頭の極上上吉)をあたえたため、よろこんだ蔦重が南畝の自宅を訪ねたのだ。それが蔦重との初対面だったと、南畝自身が日記に書き遺している。