「人生は喜ばせごっこ」を信条にマジックショー

一方、こうして楽しくイベントを開催する間も病は進行していき、2005年からの2年間で10回も手術をしました。退院する際、看護師から「また、いらっしゃい」と声をかけられたやなせ先生は「二度と来るか」と応酬するものの、二度どころか幾度となく病院のお世話になることになります。そして入院中、やなせ先生は山のように積みあがった仕事をし続けたのでした。

物江潤『現代人を救うアンパンマンの哲学』(朝日新書)
物江潤『現代人を救うアンパンマンの哲学』(朝日新書)

退院後、全快祝いのパーティーをしたこともありました。ご承知のとおり、全快祝いとはお見舞いのお返しのことですが、「人生は喜ばせごっこ」を信条とするやなせ先生からすれば、形式ばったお返しをしても相手が喜ばないと思ったのでしょう。ここでもやはり、楽しくて仕方のないイベントにしてしまいます。