答えを教えてもらうのがクセになっている

「私自身は日本の伝統的な教育を受けてきましたが、デンマークに行ってみたら、彼らは自分で考えるとか創造するという教育で育ってきている。はっきり言って、『負けてるな』とおもったし、このままでは『日本人は世界で通用しないな』とおもいました。彼らは自分で考えるのが当たり前で習慣のようにできていますが、日本人は答えを教えてもらうのが癖になってしまっています」

前屋毅『学校が合わない子どもたち』(青春新書インテリジェンス)
前屋毅『学校が合わない子どもたち』(青春新書インテリジェンス)

答えを教えてもらうのではなく、自分で考えるためには探究型の学びが必要です。とはいえ、いまでこそ探究型の学びという言葉も知られているし、その必要性を感じている人も多いのですが、LGSがフルスクールを始めた当初は、それを理解できる人は少ない状況でした。子どもたちに必要な学びだということを保護者に理解してもらうために、炭谷さんも苦労したようです。

「だから、できるだけわかりやすい言葉で伝える努力をしました。たとえば『出る杭を伸ばす』とか、『子どものいいところを伸ばしましょう』と保護者に説明しました」

そういう努力もあって、LGSの生徒数は徐々に増えていきます。教育機会確保法が成立したこともあり、“学校(一条校)ではない学校”の認知度も上がってきています。そこには、早くから探究型という一条校では難しかった学びを実践し、学校が合わない子どもたちにも学ぶ場を提供してきた炭谷さんの活動が大きく貢献したのではないでしょうか。まさに多様な学びを実践してきたわけです。

現在、炭谷さんはLGSだけでなく、“学校ではない学校”づくりを支援する活動も展開しています。