出る杭も伸ばす教育
ラーンネットでは、このふたつを組み合わせで、レゴブロックでつくった模型にモーターやギア、センサーを加え、コンピュータ制御で動かす体験をします。これが日本の学校や教室だと、見本が示されて、全員が同じ物をつくるというふうになりがちです。しかしラーンネットでは、子どもたちが自分の創造力を働かせて自由につくるので、いろいろな個性あふれる作品ばかりができあがります。そうしたなかで創造力を培い、個性を発揮する力が養われていくのです。
レゴブロックとロゴのクラスだけでなく、ラーンネットのアフタースクールにはアートなどのクラスもあります。そういうクラスで子どもたちは個性を発揮し、創造力を広げていきます。
アフタースクールをやってみて、「すべての子どもは創造的である」と炭谷さんは実感したそうです。日本の学校、一条校は子どもたちの創造性をじゅうぶんに育てられているのか、考えさせられる言葉です。
日本で新しい学校をつくるにあたって、炭谷さんはいろいろな教育について研究しています。海外にも足を運んで勉強したそうです。そうした積み重ねのなかから組まれたのが、アフタースクールのカリキュラムでした。
もちろん、ここが炭谷さんが目指したゴールではありません。炭谷さんが目指したのは、一条校に通った放課後だけの活動ではなく、一条校と同じように一日いっぱい“フル”で学ぶ、フルスクールでした。
ついにフルスクールが開校
それが実現したのは、1998年4月のことでした。LGSのフルスクールが開校したのです。最初の生徒は、わずか3人だけでした。そのフルスクールで実践しようとした、そしていまも実践しているLGSの教育を、炭谷さんは次のように説明します。
「自分自身が何かをつくりだす。自分自身が価値観とか哲学をもって、自分はこういうことを学びたいから、こういうカリキュラムでやりたい。あるいは、自分自身が社会参画することで社会は変えられるとおもう生き方ができる人を育てることです」
決められたもの、与えられたものを学ぶ、これまでの学校の“教えこむ”教育とは大きく違っています。別の言い方をすれば、「探究型の学び」です。
いまの学校(一条校)でも、この探究型の学びを重視しようとしています。それが実現できているかどうかは別にして、探究型という言葉はよく聞かれるようになったし、熱心にチャレンジしている学校や教員も増えています。
しかし、LGSのフルスクールが開校した当時は、まだ珍しい考え方でした。いわばLGSは、探究型の先駆的な存在だったといえます。日本で探究型の学びが必要だと考えた理由を、炭谷さんは次のように説明します。


