日常的に近所付き合いをしておく効果

従来型の侵入盗は「入らせないための対策」①~③を、加えて闇バイトなどの強盗は「入られてしまった後の対策」④を徹底してください。

住宅地で起きる侵入盗の対策で最もコストがかからず効果的なのが、近所付き合いです。地域の自治会やコミュニティで清掃活動や挨拶する関係性があると、自分の家だけでなく地域全体の防犯性が高まり、犯罪の起きにくい街になります。

①狙われない

・訪問販売業者(不用品買取、リフォーム、ガス・水道)は家に入れず、金品、貴金属などの情報は出さない。

・玄関口にTVインターホンを設置して、不審な訪問者や犯行グループの下見の様子を録音・録画できる状態にしておく。

・シャッター、窓、ドアの戸締り習慣を忘れない。

・周囲の人に通報してもらえるように、近所付き合いを大切にする。

②敷地に入らせない

・自転車やフェンスなどを置いて、敷地の奥に近づけないように、入ったら怪しいとみられる状態をつくる。

・植栽を手入れして、窓や玄関を外から見通しできるようにする。

・夜の犯行でも近隣が気づくよう、人感照明を設置する。

③家に入らせない

・シャッターは必ず閉める。

・シャッターのない窓は防犯部品、防犯ガラス、防犯フィルムを活用する。

・補助錠やサブロック機能を活用し、2ロックにする。
→犯行遂行するまで2倍の時間を稼ぎ、不審な動きを近隣に知らせる、または犯行を諦めさせる。

・物置や室外機は窓の下に設置しない。

④自分で気づき、通報する

・大音量の出るセンサーを活用する。

・不審な物音あるいはアラーム音に気づき、部屋に鍵をかけて犯人との接触を避け、110番通報する。

・警備会社のアラーム音に気づき、部屋にカギをかけて警備会社の警備員が駆け付けるまで隠れる。その間、110番通報する。

最後に、防犯対策は絶対に確実というものがありません。リスクを減らすのであれば、何でも取り入れて自分や家族の身を守りましょう。

聞き手・構成=ライター・中沢弘子

山田 恭司(やまだ・きょうじ)
旭化成ホームズ株式会社 LONGLIFE総合研究所主任研究員

一級建築士、防犯設備士の資格を保持している。