夜間対応のかかりつけ医があると一安心

このような出費を抑えるためには、夜間にも対応をしてもらえるクリニックなどをかかりつけ医にしておくことがお勧めです。たとえば、夜遅くに突然腹痛が襲ってきたという場合、緊急性が高いか低いかの判断が難しいことが多いでしょう。かかりつけ医に連絡をして症状を説明し、翌日の診療時間まで様子を見ていてよいのか、今すぐ受診をしたほうがよいのか、適切なアドバイスを受けることができれば安心です。

かかりつけ医がいない場合、電話相談窓口「♯7119」(救急安心センター事業)にコンタクトしてください。医師、看護師、相談員がヒアリングをしてくれ、救急車を呼んだほうがいいか、病院を受診したほうがいいかなどを判断してくれます。

緊急性が高くない場合、近くの受診可能な医療機関を複数提示してくれたり、様子見の場合、受診のタイミングをアドバイスしてくれたりします。お子さんの場合は、子供の健康相談室(小児救急相談)「♯8000」があります。

東大病院にいきなり行くと1万3200円

(3)大病院に紹介状なしで受診すると特別料金が2万円超えになることがある

病床数200床以上の病院は、かかりつけ医の紹介状を持たずに受診した患者に、特別料金を徴収することができます。一部の病院に外来患者が集中すると、患者の待ち時間が長くなったり、勤務医に過大な負荷がかかることを回避することが狙いです。

大学病院などの特定機能病院や地域医療支援病院など、所定の医療機関に関しては、「できる」のではなく、特別料金を取ることが「義務」となっています。

積み重ねられたコインと聴診器
写真=iStock.com/Pla2na
※写真はイメージです

初診の場合は医科7700円以上・歯科5500円以上、再診の場合は医科3300円以上・歯科2090円以上と最低ラインが決められており、価格設定は医療機関ごとに行います。

たとえば、紹介状を持たずに初診で医科にかかった場合、東京都立病院機構(神経病院以外)、NTT東日本関東病院などは最低ラインの7700万円で設定されていますが、聖路加国際病院だと8800円、東京大学医学部附属病院だと1万3200円に設定されています。

気を付けたいのが、時間外で紹介状なし受診の場合、時間外特別料金と紹介状なし初診の特別料金の両方を請求する医療機関があることです。たとえば、東京大学医学部附属病院では紹介状なし初診の特別料金1万3200円と時間外特別料金1万1000円の合計額2万4200円が、聖路加国際病院ではそれぞれ1万1000円と8800円の合計額1万9800円が請求されます。

ただし、救急患者など「特別の料金を求めてはならない患者」と、他の診療科から院内紹介された患者など「特別の料金を求めなくてもよい患者」が定められています。