初診料873円は避けられないが…
(1)医療機関の表示時間外に受診すると医療費が割増になる
医療機関で初めて診察を受けた日は初診料の873円がかかります。その後、継続して受診する場合、診療所や小さな病院だと再診料225円、200床以上の大きな病院だと外来診療料228円がかかります(3割負担の場合)。
これらは治療費とは別にかかるものです(外来診療料は尿検査や血液検査、創傷処置などを包括)。
もし、表示時間以外の時間帯に受付をすると、「時間外加算」「休日加算」「深夜加算」のいずれかが初診料や再診料などに上乗せされます(図表1)。

たとえば、医療機関の表示している時間帯だと初診料873円ですむところ、午後10時~翌朝午前6時の間にかかると、深夜加算がついて2313円と3倍近くに、再診料だと225円ですむところが1485円と6倍以上に跳ね上がります。
ただし、日曜や夜間等であっても、もともと通常の診療時間として表示している場合は加算されません。
大病院が「特別料金」を徴収する理由
(2)大病院に時間外受診すると1万円以上の特別料金がかかることがある
重症で緊急性の高い患者を24時間体制で受け入れている大病院では、緊急性の低い患者が自らの都合で、表示する診療時間以外の時間に受診した場合、時間外選定療養費として特別料金を徴収するケースがあります。
時間外や夜間・休日に多くの軽症患者が受診すると、重篤な患者の診療に支障が出ることから、地域の救急医療体制を維持するためのやむを得ない措置といえます。
気を付けたいのが、社会通念上時間外とされない時間帯(例えば平日の午後4時)であっても、当該医療機関の表示時間帯以外であれば、時間外診察に係る費用徴収が認められることです。
保険外の特別料金なので、医療機関ごとに価格設定が異なります。3300円~5500円程度のところが多いようですが、日本赤十字医療センター(広尾)や東京大学医学部附属病院、聖路加国際病院などは1万1000円となっています。
ただし、以下のようなケースでは徴収されません。
・他院からの救急外来受診のための紹介状あり
・当該病院で診療継続中に症状増悪のため受診
・救急車で来院した(軽症患者から徴収するケースあり)