「夫」の化けの皮

その後、白無垢の豪華な花嫁衣装に着替え、最後の花魁道中に臨んで、晴れ姿を吉原に詰めかけた人々に見せたあと、瀬川は大門の外で待っている鳥山検校のもとに向かった。

女郎は貧しい親の手で妓楼、すなわち遊女屋に、年季証文と引き換えに売られていた。楼主、すなわち妓楼の主人は、自分が買い取った「商品」である女郎を、原則10年(それはさまざまな理由で延ばされた)の年季が明けないかぎり、滅多なことでは解放しなかった。