高校受験の感覚で見ると危ない
話を受験に戻します。例えば、法政大学第二高等学校の偏差値は72(神奈川全県模試)ですが、同じ法政大学第二でも中学校の偏差値は59(四谷大塚合不合判定80%偏差値)です。こうした数字を比較して「数字が低いから中学受験で入学するほうが楽なのでは?」と思うのは危険です。私立高校の受験指導に携わったことがありますが、合格するのは中学受験のほうが難しいと感じる学校が多いです。
親御さんは中学受験、もしくは高校受験のどちらかしか経験していないことが多いでしょう。もし高校受験しか経験していない場合、高校受験の偏差値の感覚で中学受験の偏差値を考えてしまうと実態とはかけ離れてしまうことになります。その結果、子どもを追い詰めてしまったり、志望校の選択肢をいたずらに狭めてしまったりしかねないので、まず知識として保護者の方々が知っておくのは大切なことです。
中学受験の模試と高校受験の模試は、受けている子どもたちの年齢もメンバーも異なっているので、ほぼ全員が違う母集団になります。その偏差値同士を比べること自体、もともと無理がありますが、高校受験の偏差値と比べて中学受験の偏差値は、大まかに言って10くらい低い値が出ることが多いです。偏差値表の下のほうに行くほど、その数値の差は大きくなります。保護者は、このことをまず知っておく必要があります。
偏差値に振り回されるのは“愚か”
ツッコミどころ③ その思考は「平均以上効果」かもしれない。
自動車などを運転している人に「自分はどれくらい運転がうまいと思うか」と聞くと、大抵は「普通よりはちょっとうまい」という自己評価になるようです。こういった、なんとなく自分は平均以上の能力を持っている気がするという思い込みを、平均以上効果といいます。
実際のところ、中学受験生(とその親)全員が、初めは同じことを考えます。その中で、実際に全体の真ん中にいるというのは相当すごいことで、なかなか普通のことではないのです。
ツッコミどころ①で触れたように、その平均の位置は母集団によって変わります。目標の基準を単なる結果の数字に求めるのは危険です。偏差値は、売り上げ目標のような明確な達成目標とは仕組みが違います。自分の行動だけで決まる数字ではありません。大事な数字であることは確かですが、偏差値に振り回されるのは愚かです。
このような考え方をする親御さんもおられます。この考え方には二つ、ツッコミどころがあります。


