偏差値は“年度によって”上下する

ツッコミどころ① 偏差値が表すのは人気度でしかない。

今度は学校の偏差値について考えてみましょう。学校の偏差値は、その模試を受ける生徒の中で、どのくらいの実力がある生徒だったら堅実に合格できるかを示す指標です。一般的なのは「80%の子が受かったのは偏差値いくつ」という基準です。例えば、A中学校の入試結果が図表1の数字だったとすると、A中学校の偏差値は59(80%の子が受かった偏差値)ということになります。

四谷大塚のWebサイトだと50%のラインも併せて示してくれていますね。上記のA中学校の50%偏差値は57です。この数字は、併願パターンを決める上で大事な情報ですし、あとどれくらい頑張らなければいけないのかを判断する目安にもなります。ですが、この学校の偏差値は、学校の魅力を直接表すものではありません。学校の偏差値が直接的に表しているのは、その学校の人気度です。

親御さんの多くは、わが子が受験する年度の偏差値表しか見ていないでしょう。ですから、「学校の偏差値は固定的で、あまり変わらない」と思っておられるのではないでしょうか?

しかし私たちのように毎年、子どもの進路指導を行い、継続的に偏差値表を見ている側からすると、年度によってその学校の志願者数にはバラつきがあり、偏差値は上下します。同じくらいの偏差値の学校であれば、年度によって上下が入れ替わっていることはごく普通です。学校の価値が変わらなくても、その年度の志願者がたまたま多かったか、少なかったかで偏差値は結構変わるからです。

「お買い得なコスパのいい学校」を探すほうがいい

そして、魅力がある学校でも、その魅力に気づいている人が少なければ、志願者が少なくなり偏差値は低くなるのです。そういう学校は、数年かけて少しずつ良い学校だという認知が広がっていくこともあり、気づいたときには大きく偏差値が上がっていたりします。

だとしたら、そういうみんなが気づいていないから偏差値は低いけど、実は魅力的な学校を探すほうが「お得」だと思いませんか? 買い物をするときに、誰もが良く知るブランド物の高級品を欲しがる方は多いでしょう。悪いことではありません。一方、「お値段以上」の高品質でコスパが良い商品がいいという方もいるでしょう。

私は、学校選びは後者のスタイルが良いと思っています。魅力的な学校を見つけたとき、その学校の偏差値がもし低かったら、それは「お買い得」な学校です。「偏差値○○以下の学校には行かせない」なんて思わず、「偏差値以下でこんなに良い学校があるの? ラッキー!」と思える学校を、ぜひ探してください。