親は女児よりも男児に対して、空間の言葉を多く使っていた

森口佑介『つくられる子どもの性差 「女脳」「男脳」は存在しない』(光文社新書)
森口佑介『つくられる子どもの性差 「女脳」「男脳」は存在しない』(光文社新書)

ところが、同じ時期に、親の発する空間の言葉には性差がありました。親は、女児よりも、男児に対して、空間の言葉を多く使うのです。空間以外の言葉には性差がないので、親が男児に対して単純に多く話しかけるというわけではなく、空間に関する言葉を投げかけているということです。これは、男児が空間を好むという親の思い込みが影響しているのかもしれません。

そして、3歳ごろになると、子どもが使う空間に関する言葉に性差が出てきます。男児のほうが、女児よりも、空間に関する言葉を使うのです。この性差には、2歳ごろまでの親の使う空間に関する言葉が影響を与えていることが、分析によって示されています。

つまり、最初は子どもの空間に関する言葉には性差がないものの、親の発する空間に関する言葉には性差があるため、年齢を経るごとに子どもの空間に関する言葉にも性差が出てきてしまうのです。重要なのは、親の言葉がけによって心的回転能力の性差がつくられている可能性がある、ということなのです。