“幼い”視聴者たちがSNSに投げつける「ご意見」

横浜流星さん演じる蔦屋重三郎が、遊郭たる吉原再興へ寄せる強い思い入れの理由も明確になり、彼が江戸の有力者や有名人を巻き込んで企画発行する吉原のガイドブック「吉原細見」、人気女郎を花に見立てたビジュアルムック「一目千本」などのプロモーション活動が成功していくさまには、現代のメディア事情を重ねて見てしまう人も少なくないだろう。

だが一方で、「新しい大河への覚悟」を背負っているとされる大河制作陣が向き合う視聴者環境にも、感じるところがある。大河ドラマを静かに観られないSNSの「井戸の中で論理武装した無邪気な“被害者”」。男女問わず「セクシー女優の裸なら流していいと思っているのか」「宝塚女優の裸は隠すのに」とまで激しいアレルギーを起こし、NHKの女性観を「グロい」となじるほど、大河に社会文脈的な意味をなぞらえぶつける。