一日が変わる2つの習慣

朝起きたらカーテンを開けるほかに、ぜひ身に付けてほしい習慣が「ベッドメイキング」です。

朝、ベッドメイクしておけば、疲れた日にそのまま倒れ込んでも、よい睡眠が得られます。帰ってベッドがグチャグチャだと、疲れがとれるどころかイライラも相まって、疲れが倍増してしまいます。

ベッドメイクは、わずかな時間でできます。朝、起きたら、まず掛け布団をバサッと開いて、湿気を逃しましょう。朝食をとったり、メイクをしたりして、いよいよ出かけるというときに掛け布団を元に戻したら、ベッドカバーをかけて、きれいに整えます。

畳で寝ている人は、布団を畳み押し入れに入れましょう。敷きっぱなしにはしないこと。

今は成人している息子が小学生の頃、グチャグチャな布団のまま家を出たことがあります。自分が帰ってきて布団がグチャグチャだと疲れるし、やる気もなくなる、だから必ずベッドメイクしなさいと、ふだんから口うるさく言っていたので、私はマンションの下まで追いかけました。そして息子を連れ戻し、ベッドメイクをさせたんですね。

息子は遅刻ギリギリになってしまい、泣きながら学校に行きましたが、それ以来、5分早く起きて、ベッドメイクをしてから家を出るようになり、それは大人になった今も習慣になっているようです。

ベッドメイクは、心の安定につながるだけでなく、朝起きたときの区切りにもなります。ベッドをいったんきれいに整えると、二度寝しにくくなるんですね。ベッドの上でダラダラ過ごすこともなくなるでしょう。

もう一つ、習慣として気をつけたいのが、パジャマや羽織りものなど、脱いだものの扱い。寝室にカゴを用意して、そこに入れておく人もいますし、私が子どもの頃は、洗面所に置くルールでした。

これは人それぞれ、しやすいやり方でOKですが、いずれも散らからないように「一時置き場」をつくることが大事ですね。

寝室を見て問う「自分を大事にできているか」

実際、寝室を片づけたら、お金が貯まるようになったと話す人は何人もいらっしゃいます。例えばある方はシングルマザーで、小学生のお子さんと二人暮らしでした。セミダブルベッドで一緒に寝ていたけれど、子どもの成長で、ベッドがきつくなってきた。子どもに蹴られて夜中に目が覚めることも……。

そこで、自分用に寝室をつくり寝る場所をきれいに整えたら、仕事に対するやる気がわくようになったそうです。やはり一日のモチベーションが違うとおっしゃっていました。

仕事から帰ってきて、今までは潜り込むように布団に入っていたのが「今は寝室でアロマを炊いたり、枕元に間接照明を置いたり、そういうゆとりのある自分になれたのがうれしいです」と話してくれました。

冒頭でもお伝えした通り、寝室というのは、誰にも見られないからこそ、自分に対する扱いが出る場所です。

朝日を浴びながらベッドでマグカップを持っている女性
写真=iStock.com/Maria Korneeva
※写真はイメージです

だからこそ、そこでは毎日、頑張っている自分をいたわってほしい。自分がいちばん癒されて、明日の朝、元気に目覚められるような寝室をつくってほしいですね。そうすることで、お金も貯まるようになっていくでしょう。

西崎 彩智(にしざき・さち)
お片づけ習慣化コンサルタント Homeport代表

1967年生まれ、岡山県出身。大学卒業後、住宅メーカーのインテリアコーディネータとして従事。結婚し、20年専業主婦を経験したが離婚。その後はヨガスタジオの店長としてスタジオに通う多くの女性のさまざまな相談に応じる。2015年、得意の片づけを生かして起業。お片づけ習慣化講座「家庭力アッププロジェクト」修了生は全国で3000名を上回る。