子どもをコントロールするのが“いい母親”なのか
子どもは音量を調節できるステレオではないし、私はコントローラーではないので出来ることには限界があったんです。授業中は近くにいないのに、それでも母親の私が彼のこだわりとか、そういったものをコントロールする責任があるのかと思いました。
周囲から求められる母親としての役割と、自分がお母さんになる前に持っていた感覚があまりにも違っていました。私の考えていた母親像は間違っていたんだ、求められているのは子どもをコントロールすることで、それがいい母親なんだと思いました。逆に言うとうまく導いてあげればうまく成長するのかもしれないのに、私ができないからこの子はこういうふうに育って、先生から叱られてつらい思いをしているんじゃないかと思いました。母親はもっともっと頑張らなきゃいけないんだという、母親の責任とか役割っていう、よくわからないもやもやしたものに支配されていくようでした。
長男はのちに自閉スペクトラム症だとわかるが、入学したばかりの時期はまだ診断を受けられていなかった。この年、自閉症を含む発達障害のある人を支援する法律が施行されてから3年が経っていたものの、社会的な認知は現在ほど進んでいなかった。発達障害のある子どもたちの特性が理解されないことで、その親が子どもの行動に責任があるかのように追及されることもある。
医学的には、育て方は関係しないとされているにもかかわらず、親に対して「しつけが悪い」という言葉が投げかけられることも少なくない。
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