これからは「保険は掛け捨てで、必要な保障だけを買う」
では、「予定利率」が低い時期に加入している人は、どうすればいいでしょうか。
貯蓄型の保険だと、生命保険会社に問い合わせれば、保険を解約せずに置いておけばどれくらいに増えるかという、図表2のような表をもらえると思います。それを見て、“解約するのが得か損か”を判断するようにしましょう。
また、これから生命保険の加入を考えているという人は、「終身保険」や「定期付き終身保険」「個人年金」などの貯蓄性のある保険ではなく、「定期保険」などの貯蓄性がない保険で、保障だけを掛け捨てで買うことをオススメします。
なぜなら、保険は、加入した時の「予定利率」が加入中ずっと適用されるので、今のような運用利回りが低い時に「貯蓄性」のある保険に加入しても、ほとんど増えないからです。中には、経費を引かれて目減りしていくものもあります。
だとしたら、保険は掛け捨てで、必要な保障だけを買う。お金を貯めるなら、銀行の「定期積立」のようなもので着実に貯めていくと、割り切ったほうがいいでしょう。
「預金だって、金利が低すぎて増えない」と考える人もいるかもしれませんが、「定期積立」は、今はあまり金利がつきませんが、将来的に金利が上昇してくると、「預金金利」も上がってくる可能性がありますので、契約時の予定利率がずっと適用される保険よりは、増える可能性が高いでしょう。
「生命保険」は、日本国民の生存率や病気になる確率で保険料を算出しています。ですから、同じ年齢、同じ性別、同じ保障なら、保険料は同じになるはずですが、そうなっていないのは、保険会社によって保険にかかる経費が違うため。経費の安いネット保険などで契約すれば、同じ保障でも割安だということも、覚えておきましょう。
リスクに対してリターンの大きい、まさに“お宝”の保険には、今や加入したくても、加入できません。お宝保険を契約している可能性があり、なおかつ老後資金に余裕があるなら、65歳で保険料払い込み終了時の「甘い囁き」に乗って解約せず、できる限り長い期間置いておくことをオススメします。
毎年、年末調整の時季は、加入する生命保険の契約内容を確認する時季としてみてはいかがでしょう。
大学卒業後、経済事務所勤務を経て独立。家計経済のパイオニアとして、経済の仕組みを生活に根ざして平易に解説して活躍中。著書多数。