「国民の味方チーム」で政権を取る意義

とはいえ現実的に考えたとき、救民内閣の実現は、簡単なものではありません。

現在、「七つのステップ」として伝えています。順番でいくと、まず、もっと世論が高まらないといけません。世論が高まり、大同団結して、候補者調整をして、「国民の味方チーム」として、次の衆議院議員選挙で過半数を取る。これは単独過半数である必要はなく、オセロの盤面にたとえれば、黒や白一色でなくてもカラフルな連帯で過半数を占めることで、政権を取ります。

インタビューに答える前兵庫県明石市長の泉房穂さん(2024年2月23日)
写真提供=共同通信社
インタビューに答える前兵庫県明石市長の泉房穂さん(2024年2月23日)

政権を取るというのは、それにふさわしい人物が総理大臣になるということですが、議会の承認を得ないかぎり、総理ひとりでは、方針転換できません。ですから私の考えでは、方針転換を行なうまでに五回の選挙が必要になります。

最初の政権で予算を通そうとしても、おそらく既得権益側の議員は賛成しないでしょうから、解散総選挙をして、「国民の味方チームのふりをした方々」を「本当の国民の味方」に入れ替える必要があります。この二回目の選挙に勝って、予算を通します。

予算を通しても、関連法案は通りません。関連法案を通すためには、参議院の過半数が必要で、二〇二五年と二〇二八年の二回の参議院選挙に勝つ必要があります。こうして、やっと二〇二八年で法律が通るようになります。その間にもう一回衆議院選挙がありますから、結論からいうと、五回の選挙に勝たないと、国家の方針転換のための法律は通りません。

財務省派の古い政治家を入れ替える

その法律の中には、「国民の負担減」に関するものも、「廃県置圏」に関するものも、「中央省庁の再編」に関するものもあるでしょう。中央省庁の再編の過程で、特殊法人や独立行政法人の改革も行なうことになります。

今の私の考えでは、まず一回目の選挙公約で、一つ目に「食料品などの生活必需品に関しての時限措置における消費税ゼロ」を掲げ、スーパーで買い物をしても、税金がかからないようにします。

公約の二つ目は「子育てや教育の無償化」。三つ目が「ガソリン税のトリガー条項凍結解除」。とりあえずこの政策で一致できる人たちと大同団結して、政権を取るということです。

その後の流れとしては前述のとおり、財務省派の古い政治家を入れ替え、中央省庁の再編を視野に入れ、国民生活が安定するような状況を見据え、断続的に改革を進めていくことになると思います。

中央省庁の再編には、やはり一〇年ぐらいはかかるでしょう。本書では、その青写真をすこしお見せしましたが、実現するには、かなり大変な作業になると思っています。約一〇年の経過措置を見ながら、選挙に勝ち続けて、主要省庁を再編成していくことになるでしょう。