④ 給与の一部を退職金に回す→数十万円手取り増

毎月の給与を減らして、最終的な手取りを増やす逆転の発想です。

60歳を迎えた後、再雇用・再就職をする際には、新たに雇用契約を結びます。このとき、給与の一部を退職時にもらう退職金に回し、退職時に退職一時金として後払いしてもらうと、税金や社会保険料を節約できます。

60歳の退職金を受け取る時に退職所得控除を活用していても、5年以上空けて退職金を受け取れば、60歳以降の勤続年数に基づく退職所得控除が活用できます。

60歳から65歳までの5年間、月給25万円(年収300万円)で働いた場合と、月給20万円(年収240万円)で働き、毎月5万円×60カ月=300万円を退職金に回した場合を比較します。5年間の税金・社会保険料の合計は、給与の一部を退職金に回した方が約71万円も少なくなる計算です。つまり、その分、手取りが増えることを意味します。

【図表】給料の一部を退職金に回すシミュレーション
出典=頼藤太希、高山一恵『マンガと図解 定年前後のお金の強化書』(宝島社)

ただし、勤続年数が5年以下で「退職所得」が300万円超のときは「2分の1課税」が適用できません。よって、この方法を活用する際は、退職所得が300万円を超えないように調整が必要です。

また、給与の一部を退職金に回すことで、納めるべき社会保険料が減るため、給与を退職金に回さない場合と比べて、もらえる老齢厚生年金が若干減る(この例では年約2万円減る計算)点は押さえておきましょう。