握力アップでストックが増える

モミモミ副菜にはフレッシュな野菜に加えて市販の乾燥野菜もおすすめです。野菜を切ってから乾燥させてあるので包丁いらず。乾物特有の滋味あふれる風味と、しっかりとした歯ごたえが気軽に楽しめます。味つけは自由自在。塩、醤油、味噌をベースに胡麻を入れたりピリ辛にしたり、旨味出しにじゃこや桜海老も重宝します。

チャレンジ精神旺盛な母は、素材と味をいろいろに組み合わせてアレンジを楽しんでいました。数種類つくってストックしておけば副菜には困りません。実は「酒のあて」につくっていたのかも。

モミモミ後、空気を抜いて保存するのがポイント。3~4日はおいしく食べられる。
写真=鈴木泰介
※『103歳の食卓』より モミモミ後、空気を抜いて保存するのがポイント。3~4日はおいしく食べられる。

モミモミ調理は火を使わずにできますから、これぞ卓上クッキングの極みです。さらに嬉しいのは、「モミモミ」は手の運動になるということ。くるみやボールを「にぎにぎ」するのと同様に、握力アップに大いに役立ちます。おいしい副菜をつくるだけではないところが、母がモミモミにハマっていた理由だと思います。

トマトのガスパチョ
そうめんや細めのパスタを入れてもおいしい。流水麺を使えばさらに手軽だ。
写真=鈴木泰介
※『103歳の食卓』より そうめんや細めのパスタを入れてもおいしい。流水麺を使えばさらに手軽だ。

材料(つくりやすい分量)
トマト……2個(400g)
きゅうり(粗いみじん切り)……大さじ2
玉ねぎ(粗いみじん切り)……大さじ1
パプリカパウダー(あれば)……小さじ4分の1
塩……小さじ2分の1
レモン汁……大さじ1
オリーブオイル……適量

つくり方
トマトは角切りにしてジッパーつき保存袋に入れ、モミモミしてつぶす。
パプリカパウダー、塩、レモン汁とオリーブオイル大さじ2を加えてさらにモミモミする。
器に盛ってきゅうりと玉ねぎを散らし、オリーブオイル、パプリカパウダー各少々をふる。

荻野 恭子(おぎの・きょうこ)
料理研究家、栄養士、サロン・ド・キュイジーヌ主宰

ユーラシアをはじめ、65カ国以上の国を訪れ、家庭や店で土地の料理を学ぶ。日本でつくれるレシピに置き換えて多くの雑誌や本で紹介している。『塩ひとつまみ それだけでおいしく』(女子栄養大学出版部)、『ビーツ、私のふだん料理』(株式会社扶桑社刊)、『ポリ袋で簡単!もみもみ発酵レシピ』(株式会社池田書店刊)など、著書も多数。