共働き夫婦なら選択肢は増える

夫婦共働きの場合、夫が資格を取る間、妻は会社に残って働き続けるというパターンもあります。介護福祉士の資格を取った塾生の方もそうです。定年を迎えてから勉強を始められて、資格を取るのに2年かかりましたが、旦那さんが勉強に専念する間は、奥さんが働かれていたそうです。「2年間だけ許してよ」と。

あるいは夫婦で独立するパターンもあります。ある知り合いの共働き夫婦の話です。ご主人は定年後も会社に残っていましたが、奥様は定年前にスパッと離職し独立された。ご主人は、そんな奥様に感化されて独立し、共同経営者になられたのです。

シニアカップル
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当塾の塾生の方も、悩みの深さは男女共通ですが、女性のほうが会社を辞めて独立したり、地方に移住したり、とにかく決めるのも動くのも速い。決断力がありますね。ただし奥様が、収入が少なかったり専業主婦である場合は、遺族年金額はきちんと把握し、ご主人が亡くなったあとの年金生活を、きちんとシミュレーションしたほうがいいでしょう。

いずれも夫婦それぞれがやりたいことをやりながら、どうやって安心して、心配なく暮らしていくかということが大事。それをベースに、お金の設計をしていくことが肝心です。

構成=池田純子

大桃 綾子(おおもも・あやこ)
キャリアコンサルタント

1981年、新潟県生まれ。東京外国語大学(中国語)卒業、慶應義塾大学大学院社会学研究科修了。三井化学にて人事・事業企画に約10年従事。丸亀製麺を運営するトリドールホールディングスを経て、起業。Dialogue for Everyone 代表取締役。