読書は寝ながらでなければ問題なし
→お答えしましょう:問題ありませんが、本を読む姿勢や電子書籍に使う端末の選び方には注意が必要です。
読書が好きな人には緑内障を患う人が多いという研究はありますが、その因果関係については定かではありません。
ただ、読書の習慣がある人に近視が多いのは事実です。近視は視神経にダメージを与える要因のひとつで、緑内障リスクを高める原因にもなります。
緑内障になったからといって、読書を止める必要はありません。初期や中期の方であれば、普段通りの読書を続けても何ら問題ありません。後期となり、生活に支障が出るほど視野の欠損が進行している患者さんには、大活字本(文字が大きく、本自体も大判のもの)やオーディオブックなどの活用をおすすめしています。
電子書籍の場合は、専用の電子書籍リーダーがよいでしょう。その理由は、ディスプレイの光が目に直接入るスマートフォンやタブレットとは異なり、光が画面を照らすバックライト方式を採用しているからです。
読書をする姿勢には、注意をしてください。寝ながらの読書はNGです。「寝ながら読むと眼圧が上がる」という研究結果があるからです。読書は座った姿勢で、本を正面にして読み、長時間うつむかないように注意しましょう。
愛知県田原市生まれ。二本松眼科病院副院長。「あさイチ」、「ジョブチューン」、「バイキング」、「林修の今でしょ! 講座」、「主治医が見つかる診療所」、「生島ヒロシのおはよう一直線」、「読売新聞」、「日本経済新聞」、「毎日新聞」、「週刊文春」、「週刊現代」、「文藝春秋」、「女性セブン」などでコメント・出演・執筆等を行う。Yahoo!ニュースの眼科医としては唯一の公式コメンテーター。YouTubeチャンネル「眼科医平松類」は20万人以上の登録者数で、最新情報を発信中。著書は『1日3分見るだけでぐんぐん目がよくなる! ガボール・アイ』『老人の取扱説明書』『認知症の取扱説明書』(SBクリエイティブ)、『老眼のウソ』『その白内障手術、待った!』(時事通信出版局)、『自分でできる!人生が変わる緑内障の新常識』(ライフサイエンス出版)など多数。