「もし」の質問で視野を広げる
本来は視野を広げたいですよね。視野を拡大すれば成功要因も見えてきます。
そこで、視野を広げる簡単な方法を紹介します。
それが仮説です。
・もし、自分にこんな能力があったらとしたら、どうする?
・もし、助けてくれる人がいるとしたら、誰に助けてもらう?
・もし、環境を変えることができるとしたら、どう変える?
「もし、○○だったら」という問いかけ。
すべて仮の話です。でも、仮だからこそ発想が広がります。
小さい頃「もし大人になったら何になる?」と質問されたことはありませんか。「絶対になりたいものを答えよ!」なんて言われたら答えにくいですが、仮の話なら答えやすいです。
「もし宝くじで1億円当たったらどうする?」。これも「え~、1億円なんて当たるわけないじゃ~ん」と言いつつ、すでに頭の中では使い道を考えはじめたりします。
なんせ仮の話ですから、考えるだけならリスクはありません。
仮説が相手の可能性を引き出す
そして、ここが大事なポイント。一度考えはじめると、思いがけない自分の能力を発見したり、実際に助けてくれる人が見つかったり、環境を変える妙案が閃いたりします。
ほら、さきほどの話、「人間の脳は意識すると情報が入ってくる」でしたね。
例えば、あなたの知人で、「誰よりも働いているのに、なかなか結果が出ず、自分でもどうしたらいいかわからない……」と、悩む人がいたとします。
その人に「がんばれ!」と鼓舞しても、相手はよけいに疲弊します。
そんなときこそ、あえて激励せず、仮説を使って相手の可能性を引き出します。
「もし、能力がひとつ身につくとしたら、何を身につけたい?」
「もし、アドバイスがもらえるとしたら、誰からもらいたい?」
「もし、憧れの○○さんだったら、この状況をどう打開すると思う?」
「もし」からはじまる質問をすることで、その能力を身につけるための本をたまたまコンビニで発見したり、アドバイスをもらえる人と実際に会うことができたり、すでに憧れの人がYouTubeで解決策を語っていたりと、急に答えが飛び込んできます。
繰り返しますが、意識すると情報が入ってくるからです。
だからあえて話さず、仮説で励ます。
誰だって結果が出ないと、「このまま続けて、本当に結果が出るのだろうか……」と、不安になります。
不安が失敗につながり、その結果、また不安になり、やがて自信を失います。
そんなときこそ、自分の力を覚醒させてくれる人が近くにいたら、その人はどれだけ心強いか。
ぜひあなたにはそんな相手の希望になっていただきたいと願っています。
1978年生まれ。新潟県出身。2017年、「伝わる話し方」を教育する株式会社モチベーション&コミュニケーションを設立。日本能力開発推進協会メンタル心理カウンセラー、日本能力開発推進協会上級心理カウンセラー、一般社団法人日本声診断協会音声心理士。著書に『10秒でズバッと伝わる話し方』(扶桑社)、『雑談の一流、二流、三流』、『質問の一流、二流、三流』(ともに明日香出版社)がある。