そこまでしないといけないのか、というほどの「マイクロOJT」を
前出の根本CLMは「マイクロOJT」を推奨する。「それこそ箸の上げ下げのレベルからしっかりと指導してあげるのがマイクロOJT。例えば議事録の書き方であれば、この項目はこの順番で書きなさいと細かく教えてあげる。上司の側は自分たちはそういうふうに教わっていなかったので、どうしてそこまでやらないといけないのかという声が管理職の研修では必ず出てくる。しかし、そうしなければ今の新人は何がわかっていて、何がわからないのかがわからず、育つ人は育ち、育たない人は育たないという状況になってしまう」
何より問われるのは上司や先輩社員の新人との対話力、つまり漠然とした不安を抱える新人の思いを引き出せる能力だ。対話力はフィードバックの胆ともいえるが、研修担当の講師によると、完璧にこなせる管理職は2割程度しかいないという。つまり8割の管理職は対話力の学び直しが必要ということになる。企業としてはコーチングを含めた対話力の教育が求められている。
1958年、鹿児島県生まれ。明治大学卒。月刊誌、週刊誌記者などを経て、独立。経営、人事、雇用、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍。著書に『人事部はここを見ている!』など。