火災報知器の有無が生死を分ける
しかし火災報知器が設置されている場合とそうでないのとでは、明らかなる差があります。消防庁の調べでは住宅に火災報知器が設置されている場合は、そうでない場合に比べ、死者数と損害額は半減、焼損床面積は約6割減という結果になっています(図表3、4、5)。
このことからもわかるように、火災による不慮の事故で寿命を縮めないためには「逃げ遅れない」ための火災報知器の設置が大切になってきます。
設置場所や種類にも留意する
また火災報知器を設置はしているけれど、正しく設置できていないケースも多いようです。
火災報知器は、基本的には寝室と寝室がある階(1階は除く)の階段上部に設置することが必要です。寝室に設置するというのは、死亡事故になりやすい「就寝中の逃げ遅れ」に対処するためです。また火災による煙の集まりやすい場所であるとともに、2階などで就寝している方の避難経路となるため、階段室にも設置します。そのほか市町村の条例により、火元になりやすい台所やリビングなどにも設置義務がある場合があります。
この火災報知器ですがエアコンなどの風の影響を避けるために、その吹き出し口からは1.5mほど離す必要があります。そのほかにも、電波の発生する機器の近くや加湿器など水蒸気を発生するものの近くも、火災報知器が正しく作動しない恐れがあるため、設置を避けましょう。火災報知器の種類は煙に感知する煙式(光電式)タイプと熱を感知する熱式(定温式)タイプがありますが、寝室や階段室は感知の早い煙式タイプを設置します。火災報知器は、ホームセンターやネットショップなどで安価で手軽に購入・設置できます。しかし経年劣化や電池切れにより、交換目安は10年とされているので注意が必要です。本体に記載されている製造年等を確認し、10年を経過したものは交換しましょう。