スタイルが悪くなり内臓が弱っていく

「下半身デブでイヤになっちゃう」とか「年をとってお腹のまわりに肉がついてきた」などと嘆く声を聞きますが、ズバリ言います。

それは「全身の筋肉をバランスよく使えていないから」です。

若いころはまだ筋力にしなやかさがあるので、アンバランスなのは、それほど目立ちません。

ところが筋力が弱ってくる中高年以降は、筋肉をしっかり使えていないことが端的に体形に出てくるのです。

体形だけではありません。筋肉が衰えれば、内臓機能も低下します。なぜなら、内臓も筋肉でできているからです。

年をとると、食べ物を飲み込みづらくなったり(嚥下障害)、食べすぎると胃がもたれたりするようになりがちですが、これらは食道や胃の筋力が衰えていることが一因なのです。

背中と太ももまわりの筋肉を鍛えよう

私たちが体を動かすことができるのは、関節のまわりを覆っている筋肉が伸び縮みするからです。

筋肉は全身の筋肉を包み込む「筋膜きんまく」で覆われています。つまり、筋肉は筋膜と一緒に伸び縮みしているわけですが、あるポイントがコリコリに固まってしまったとしたら、ほかの部分にも片寄りが生じてしまいます。

1カ所でも使われない筋肉があると、そこに滞りが生じてしまい、血液やリンパ液の流れが悪くなってしまいます。

血液は体中に酸素や栄養を送り届ける働きを、リンパ液は体内の老廃物を回収する働きがあります。

これらの働きが悪くなると、体調不良の原因になります。だから筋肉は、バランスよく使って鍛えることが大切なのです。

そうすれば血流もリンパ液の流れもよくなり、新陳代謝が活発になって健康な体の基礎がつくられていきます。

特に効果的なのは、体の中で大きな体積を占めている筋肉を鍛えることです。上半身でいえば背中の筋肉(背筋)、下半身でいえばお尻と太ももまわりの筋肉です。

最低限、この二つの部位の筋肉が、いつもしなやかに動かせる状態になっていれば大丈夫! 体の中も外も若々しさを保つことができます。